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6:ぽっちゃりはいきなり軍人のトレーニングに手を出しがち

ぽっちゃりは厳しい筋トレの動画を観ながら、だらだらとドーナツを食べがちです。

けれど、たまに何かの火がついたように「よし、わたしもこの軍人と同じ筋トレを毎日して痩せるぞ!」と思い立っては、いきなりハイレベルすぎる筋トレに挑戦。
少しだけやってみては、毎回「やっぱキツいからムリ!」とすぐに諦めてしまいます。

そして、軍人のトレーニングができなかったぽっちゃりは「わたしはなんて根性がないんだ……」と落ち込み、またドーナツを食べる。

そういうサイクルを、ぽっちゃりは永遠に繰り返してしまうのです。

かくいう80キロの特盛ぽっちゃりなわたしも、幾度となく軍人のトレーニングに手を出しては1分で力尽きていました。
『いきなり軍人のトレーニングに手を出すからハードすぎて続かない』ということにも気付かずに。

そもそも軍人のトレーニングというのは、鍛え上げられた肉体を誇るムキムキな人向けの内容なのです。
間違っても万年運動不足のぽっちゃり向けではありません。

それでも軍人向けのトレーニングしかしたくない!というぽっちゃりさんは想像してみてください。
たとえば、あなたは格式の高いレストランへ入るとき、よれよれのTシャツとジーンズで突入できるでしょうか?

いいえ、できないはずです。
軍人のトレーニングもそれと同じ。

ドレスコードの設けられたレストランへ赴くかのように、鍛え上げられた筋肉という名の正装を纏ってトレーニングに臨まなければ「ここはぽっちゃりの入っていい店じゃないぜ」とムキムキの軍人たちに笑われ、恥をかいてしまうでしょう。

そう、ぽっちゃりのあなたにはまだ軍人のトレーニングは早すぎるのです。

それでもキツいトレーニングをしてすぐに痩せたいんだ!というぽっちゃりさんは、その『すぐに痩せたい』という、熱いというよりは生ぬるい思いを一旦捨てなければいけないかもしれません。

ダイエットの正解は、ほんの少しの努力を毎日積み上げ、じわじわと痩せていくことなのですから。

「痩せられない80キロの特盛ぽっちゃりがそんなことを言ってもなんの説得力もない!」と、あなたは憤るかもしれません。

でも、思い出してもみてください。
わたしは『ダイエットの正解に手を出していないから永遠に痩せられない』のです。

そんなわたしが言うのですから、説得力は100点満点のはずです。

ですからわたしを反面教師に、まずは低すぎてびっくりするほどの目標を設定してみてください。

最初は1日1回のスクワットから始めて、気が向いたら回数を増やしていくとか。
とりあえずエアロバイクに跨がるだけ跨がって、気が向いたらそのままちょっとだけ漕ぐとか。

ぽっちゃりにとって、ハードルは低ければ低いほどいいのです。
太りきったぽっちゃりは、いきなり高くは飛べないのですから。

ただ、そんなぽっちゃりも毎日継続して小さなことを積み重ねていけば、気付けばすっかり痩せていて多少の筋肉もついていることでしょう。

そんなあなたは、もう軍人たちのトレーニングに参加しても笑われることはありません。

むしろ諸手を上げて、軍人たちに褒め称えられ「ようこそ新入り!ここからが本当の地獄だぜ!」と強い力で背中を叩かれトレーニングに誘われることでしょう。

わたしもいつかは軍人たちに大歓迎されてみたいものです。
けれど、小さな努力をコツコツ積み重ねるのはどうにも性に合わないのです。

そうしてわたしは、今日も軍人たちに「よお、ぽっちゃり。また来たのか」と笑われながら2つ目のドーナツを齧るのです。

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