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次はタコさんウインナーを作りたい

私の恋人は、料理上手だ。

肉じゃが、カレー、生姜焼きなど定番料理はもちろん、カルボナーラやカオマンガイ、手羽元の香草グリル焼き、などなどのオシャレ料理だってお手のもの。おまけに、スイーツだって作れちゃう。

少し前までは、そんな彼が作り置きをしてくれていて、夕食どきに彼の家にお邪魔していた。彼の家へ泊まった際は、美味しい朝ごはんを用意してくれていた。

が、最近の彼は忙しい。すっかり彼の手料理を食べられなくなってしまった。

もともと、私は食に無頓着だ。一人暮らしを始めて3年が経つが、残念ながら「おふくろの味が恋しい」と思ったことはあまりない。

けれど、最近そんな、誰かの料理を恋しく思う気持ちがわかってきた。
どうやらすっかり恋人に胃袋をつかまれてしまったらしい。

いつも朝食に作ってくれていた、あの目玉焼きが食べたい。
ああ、あの生姜がほんの少し香るお味噌汁も飲みたい。ペペロンチーノも食べたい。メンタル死んで寝込んでいたときに作ってくれたシチュー、美味しすぎてポロポロ泣いてしまったなあ。

ーーあれ、思い返すまでもなく、さすがに作ってもらいすぎじゃないか?

私は、料理が苦手だ。
クックドゥがないと、極端に味が薄いか濃い品物が出来上がってしまう。
だからこれ幸いとばかりに、彼に料理を任せていた。(その代わりお皿洗いはやっていたよ!)

でも、こんな調子で作ってもらってばかりいたら、彼が忙しいときに困る。
いまは一緒に暮らしていないから各々適当に食べればいいけれど、外食も飽きた。一緒に暮らしたら誰が料理するんだろう…… 私しか、いない……!

そうして、少しは自炊するか、と、手始めにお昼におにぎりを用意することに。大きなおにぎりと小さなおにぎりを2個ずつにぎり、冷凍のからあげを4つ解凍して持っていった。

彼は、平日も休日も朝からフルスロットルで作業中。ここ最近、彼の昼食はカロリーメイト。「戦闘スイッチが入るから」などと言って、近くのドラッグストアで大量購入したカロリーメイトばかり食べているせいで、頬がこけてきている。よくないよくない。

昼食どき。そんな彼におにぎりとからあげを差し出すと、彼は目を見開いて驚き、「外で食べよう!」とニコニコ顔。おにぎりと冷凍からあげだけなのに、ニッコニコ。
「俺、頑張る!」日当たりの良いベンチでおにぎりを頬張った彼は、元気いっぱいな様子で作業に戻っていった。よかったよかった。

これに気を良くしたあさぎさん。次なる挑戦は夕食と、きちんとしたお弁当です。

わたしの自炊チャレンジは、まだまだ続く。(た、たぶんね)


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