火焔型土器とアイヅ縄文文化圏
■父の書棚には、「福島県史」(昭和47年発行)という大型の本があった。
表紙を堂々と飾るのは、柳津町の石生前(いしうまえ)遺跡で発掘された火焔型(かえんがた)土器だ。
縄文中期(約4500年前)の遺物で、土器の上部が炎のように見えることから「火焔型」というが、最初に発見された新潟県長岡市馬高遺跡の名称をとって「馬高式土器」とも呼ばれる。
この時代は1万2千年ほど続く縄文時代のピーク期で、さまざまな遺物が発掘される。
会津で発掘される縄文中期の土器は、新潟や東北南部、関東