最近読んだ本の話 vol.82

 「最近読んだ本の話」の第82弾です。だんだん秋が深まって冬に近づいてきました。紅葉が綺麗です。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、大島 真寿美『たとえば、葡萄』

まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。        

Amazonより引用

 最近移住する人の話をよく読んでいる気がします。読むとわくわくしてきて、私もどこかに移住しようか、なんて夢が膨らみますが、この小説の主人公の美月は移住しようなんて最初は思ってなかったんです。仕事を辞めて実家には帰りたくなくて、母の友人宅へ転がり込みます。個性の強い母の友人たちが次々に登場して、あれよあれよという間に古い家のリノベーションを手伝うことになり、葡萄畑と出会って、頼まれた仕事をやっていくうちに美月は自分のやりたいことを見つけます。こういう展開いいなあ、楽しそう!


2、湊 かなえ『湊かなえのことば結び』

「こんばんは。小説家の湊かなえです」
湊さんがラジオパーソナリティーを務めたFM大阪(2020年6月3日~2022年3月30日)の人気番組から生まれました。
明日への元気がわいてくる楽しく優しいことばたち。
家族、友人、猫、淡路の美味しい食、旅の思い出――など湊さんの愛するものやリスナーとの温かな交流、小説講座、おすすめの本など、著者の魅力が満載の贅沢な一冊。               

Amazonより引用

 湊さんがFM大阪で2020年6月から2022年3月までパーソナリティを担当されたラジオ番組の内容から、抜粋して加筆されて本になったそうです。
 海外のブックフェアの話やサイン会の話、食べ物の話や飼っている猫の話など、湊さんのまわりのできごとが盛りだくさんの楽しい内容でした。
 小説やエッセイを募集してリスナーの作品を講評したり、課題図書を読んだ感想を募集したりもしていて、リアルタイムで聴きたかったです。読んでみたい本がまたいっぱい増えました。


3、辻村 深月『嘘つきジェンガ』

詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
『五年目の受験詐欺』
『あの人のサロン詐欺』              

Amazonより引用

 3つの詐欺の物語が収録されています。ああ、もしこんなことになったらどうしよう⁉と、巧みな心理描写に他人事ではなく感じられて、はらはらしながら読んでいたら、あれっ?大丈夫だった⁉前より良くなったんじゃない?というような、思わぬ展開を見せます。こんな風にはなかなか書けない。面白かったです。


 今週は「最近読んだ本の話」を書くことができました。あともう1か月ちょっとで今年が終わるなんて!最後までお読みくださってありがとうございました。

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