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最近読んだ本の話 vol.81

 「最近読んだ本の話」の第81弾です。だいぶ気温も下がって紅葉が綺麗になってきました。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、西尾 維新『怪盗フラヌールの巡回』

亡き父親の正体は大怪盗だった――!? 長男の「ぼく」は、傷ついた弟妹と愛する乳母のため二代目怪盗フラヌールを襲名。持ち主にお宝を戻す“返却活動”を開始する。次なる標的は、天才研究者が集う海底大学。忍びこめたかと思いきや、初代怪盗フラヌールを唯一捕らえたベテラン刑事と、新世代の名(ウルトラ)探偵が立ちはだかり、不可能犯罪まで発生! 二代目怪盗フラヌールは、数多の謎を解き明かし、任務を完遂できるのか!? 衝撃の怪盗ミステリー、ここに開幕!                  -Amazonより引用-

 主人公は怪盗フラヌールの長男で、父親の死後自分の父が怪盗フラヌールだったことを知り、盗んだお宝を返却するため「二代目怪盗フラヌール」を襲名して暗躍しています。語りが面白くて物語にぐいぐい引き込まれます。主人公は、海底にある大学に玉手箱を返却しようとして、返却はできたんだけど、身に覚えのない殺人の容疑が怪盗フラヌールにかけられてしまいます。面白いです。犯人は全然予測できなかった!続編の予告状が巻末に掲載されていて、またぜひ読んでみたいです。


2、早見 和真『新! 店長がバカすぎて』

宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。
張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。
そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。
スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。
小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。                      -Amazonより引用-

 『店長がバカすぎて』の続編で、三年後の物語です。「バカすぎて」ってどういう意味でバカすぎるのかな?と思いながら読み始めたのですが、1、2ページ目まで読んだところで、朝礼がとても長くて、デリカシーがないことをぬけぬけと言ったりして従業員全員をイラつかせている場面が描かれていて、こういうことか!とわかりました。こういう人いる!
 早見さんの作品は『笑うマトリョーシカ』を読んだのが初めてだったので、『店長がバカすぎて』は別ジャンルなのではないかと勝手に思っていましたが、こういう物語も書けるというすごい才能を見せつけられている感じがしました。無駄な文が一文もない!最後の最後に新人作家が誰なのかが明かされます。面白かったです。


3、畑野 智美『若葉荘の暮らし』

畑野智美作家デビュー10周年記念作品。
感染症の影響を受け、望月ミチルのアルバイト先の飲食店の売上が激減。バイト代が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることを余儀なくされる。そんな彼女に友人が紹介してくれたのが、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。
不安を抱えながら若葉荘の門を叩いたミチルだったが、温かく迎えてくれた管理人・トキ子さんに出会い、ここに住むことを決める。同世代の千波さんと幸子さん、50代の美佐子さんと真弓さん、何かに傷つけられ、それぞれに重荷を背負いながらも、逞しく生きる住人達との交流の中で、ミチルは自分の幸せを自分軸で探す術を身につけていく。
生きづらい世を懸命に生きる全女性へ送る人生賛歌。 -Amazonより引用-

  感染症の影響を受け、アルバイト先の洋食店が時短営業を始めてバイト代が減ってしまったミチルは、友人の紹介で40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」を訪ねます。住むことに決めて引っ越してきて、だんだん他の住人たちと交流していき、それぞれの事情などを知っていって仲良くなっていきます。作ったおかずを分け合ったり、貰ったコロッケやお菓子を分け合ったり、一緒にお酒を飲んだりと楽しそうです。読みながら、こんな所があったらいいのに!私がこんな場所を作れたらなあ!と思うぐらいでした。その後読み進めると、そういう方向の話になっていきます。自分が大切にしたいのは何なのか考えさせられるし、1人で心細かったら集まれば何とかなるよ、と希望を感じるお話でした。


 今週は「最近読んだ本の話」を書くことができました。仕事が忙しいのを言い訳に読書時間が減っています。でも書く時間は少し増えました。この調子でちょっとずつ。最後までお読みくださってありがとうございました。




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