見出し画像

最近読んだ本の話 vol.58

 「最近読んだ本の話」の第58弾です。だいぶ暖かくなって、桜があちこちで開花し始めて、これから満開まで楽しみです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、フランソワーズ・サガン『打ちのめされた心は』

冷めきった心がすれ違う大富豪クレソン家。一人の女性の来訪で、屋敷は愛とエゴの渦に呑まれていく──。奇跡的に発見されフランスを揺るがした、フランソワーズ・サガン幻の未発表長編。      -Amazonより引用-

 私はサガンのあの超有名な『悲しみよ こんにちは』を読んだことがあったかな?と記憶をたどったのですが、読んでいるとしたら高校生ぐらいだと思うけど、読んでないような気がするなあ、という結論に至りました。そういうわけで、サガンの作品を初めて読みました。奇跡的に見つかった未発表作品で、息子さんが修正されたそうです。
 フランスのトゥーレーヌにある大富豪・クレソン家で巻き起こる出来事や人間模様が描かれています。お互いにものすごく辛辣で、相手を嫌っているようなところを隠そうともしない、ひどい言葉が飛び交った家族の中に、大事故から奇跡的に快復したリュドヴィックが戻ってきます。リュドヴィックは、家族からも妻のマリー=ロールからも見放されたような態度を取られ、悲しむことも落胆することもなくボーっと過ごしていました。そこに妻の母であるファニーがやってきて、リュドヴィックの父・アンリから、リュドヴィックの快復を親戚たちに披露するパーティーを取り仕切るよう頼まれます。ひどい怪我をし、ひどい仕打ちを受けるリュドヴィックを、唯一いたわる優しいファニーにリュドヴィックは惹かれて愛するようになり…。というお話です。未完で、パーティーが始まる直前で話が終わってしまうのですが、翻訳者の方が続きを考えてみては?と提案されていて、私はちょっと考えてみました。お父さんには邪魔されたくないなあ!リュドヴィックとファニーが2人で幸せに暮らしてほしい。


2、五十嵐 律人『法廷遊戯』

法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。
二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、
彼らの周辺で不可解な事件が続く。
清義が相談を持ち掛けたのは、
異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。
真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
                         -Amazonより引用-

 五十嵐さんのデビュー作です。始まりからめっちゃ面白そうで引き込まれて、先が気になってどんどん読み進みました。完成度高すぎます。途中でこういうことだろうか?と予測をするのですが、まったく当たらず、最後の主人公の選択は予想できなかったです。知らなかった法律がたくさん書かれていて、勉強になりました。


3、寺地 はるな『ほたるいしマジカルランド』

大阪の北部に位置する蛍石市にある老舗遊園地「ほたるいしマジカルランド」。「うちはテーマパークではなく遊園地」と言い切る名物社長を筆頭に、たくさんの人々が働いている。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフ、花や植物の管理……。お客様に笑顔になってもらうため、従業員は日々奮闘中。自分たちの悩みを裡に押し隠しながら……。そんなある日社長が入院したという知らせが入り、従業員に動揺が走る。-                                                                                               -Amazonより引用-

 遊園地「ほたるいしマジカルランド」で働く人たちの物語です。いろんな人がいろんな理由で働いているのですが、それぞれに悩みや思いを抱えていて…。それでも楽しそうな職場です。イベントがしょっちゅう行われていて、イルミネーションにも力を入れています。人と人とが関わって悩みが解決していくのっていいな、と思いました。少しの勇気が必要なんだよなあ。


 「最近読んだ本の話」今週は書くことができました。自分が書いたことを読み返すと、その本を読んだ時の気持ちを思い出せるのでいいなあと思います。最後までお読みくださってありがとうございました。

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,523件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?