最近読んだ本の話 vol.127
「最近読んだ本の話」の第127弾です。お花屋さんにミモザが売っているのを見るとなぜかうれしくなります。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、平戸 萌『私が鳥のときは』
「私が鳥のときは」と「アイムアハッピー・フォーエバー」のニ篇が収録されています。
「私が鳥のときは」は、中学三年生の夏休み、主人公・蒼子の家に蒼子の母が元同僚のバナミさんをさらってきます。バナミさんは病気にかかっていて余命わずかだというのですが、いったいどうしてここに?父と弟はおばあちゃんの家に行ってしまい、母と蒼子とバナミさんの3人の生活が始まります。自分が中学生の頃にこんなことになったら、私だったら大反発するだろうなあと思いました。蒼子も最初は怒って反発していたけど、高校見学にバナミさんが付き合ってくれてから距離が縮まって、一緒に受験勉強をするようになります。バナミさんは中学の途中で妊娠して高校には行けず、あきらめかけていた高校入学にもう一度挑戦したいというのだ。しかしバナミさんの家出には別の理由があって、蒼子が学校に行けなくなってしまったことと関係があったのです。バナミさんはすごくカッコいいです!
もう一篇の「アイムアハッピー・フォーエバー」は、バナミさんが中学一年生の時のお話です。お屋敷のテニスコートを使わせてもらって、お茶会などもしてめっちゃ楽しそうです。その後バナミさんが付き合うようになるのはもしかしてこの人では?と予想できました。でもこんなに仲が良かった友達と縁が切れてしまうなんてなあ。
2、逸木 裕『四重奏』
チェロの演奏家が火神の異名をもつ孤高のチェリスト・鵜崎顕に演奏の指導を受けようとしている場面から物語は始まります。場面は変わって第一章は、チェリストの主人公・坂下英紀がアルバイトをしている漫画喫茶で「鵜崎四重奏団」の新規団員募集要項に目を通しています。今回の募集はチェリストの黛由佳が亡くなり欠員が出たための募集だといいますが、英紀は音大生の頃、由佳と出会って由佳の自由奔放な演奏に救われました。その由佳が自宅で放火事件に巻き込まれて一か月前に亡くなったのは、鵜崎とそりが合わず思うような演奏ができなかったために自殺したのではないかと英紀は疑っていて、その真相を調べるために「鵜崎四重奏団」の新規団員募集に応募します。冒頭から不穏な空気が漂っていて、これからどうなるのか、いくつかの謎はどう明かされるのか気になってぐいぐい読みました。
人のことが判っていないのに勝手に解釈して判ったような気持ちになっていることは多いです。英紀は由佳のことが全然判っていなかったと気づくのですが、ここまで丹念に調べていくのはすごいです。英紀はこの後どうするんだろう?チェロを弾き続けてほしいなあ。
3、トリコロル・パリ『フランスの小さくて温かな暮らし365日』
昔こういう本読むの好きだったなあ、と思い手に取りました。外国の風景や食べ物の写真、その写真を説明する短い文章が載った本を見るのが好きでした。わくわくしながらページを開くと、知らなかったことがたくさん書かれていました。チーズがおいしそうだし、かわいい物がいっぱいです。いつか行ってみたいなあ!
時間が過ぎるのが早いです。あと2週間もすれば4月なんて!本を読む時間はあるようなないような。季節的にはちょうどよい暖かさになって集中できそうだけど。最後までお読みくださってありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?