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㊗️千葉雅也さん『デッドライン』芥川賞候補作に❗️

私は、神戸大学の講演に行ってから、千葉雅也さんと矢倉喬士さんのことが好きになりました。熱心に講演してくださったり、講評をしてくださったり、質問に答えてくださって、お2人とも絶対いい人や!と私は思ったのです。

4日前の昼休みに何気なくTwitterを見ていたら、千葉さんが批判されて困惑してらっしゃって、私は悲しくなり、もうちょっとで千葉さんに「元気出してください!」とリプを送りそうになりました。帰宅後もう一度見た時には、ご本人は他のことをして落ち着いてらっしゃったし、ご友人から応援されていて、良かった!と思いました。翌日にはその方から謝罪があったそうです。千葉さんと矢倉さんは神戸で何か着想があったそうで、「神戸行ってよかったね。」とおっしゃっていたので、私が主催したわけでも何でもないのに、うれしい!と思いました。

 『デッドライン』は、大学院生の主人公が、修士論文を悩みながら書き進めていく過程とか、高校からの友達や大学の友達との関係や、家族との関係、ゲイである主人公が出会いを求めてさまよう様子などが、描かれています。

次々と場面が変わり、主人公がフランス現代思想を研究しているので、哲学の話も多く書かれています。

読んでいるうちに主人公のことが好きになり、修論がどうなるのか心配になったり、恋人は作るのか作らないのかどうするんやろう、とか気になったりして、読み進むにつれてだんだん身近に感じてきて、読後感が爽やかな小説でした。

主人公が修論を妥協しないところがいいです!私だったら、期日に間に合うように妥協して、無理やり仕上げてしまうだろうな、と思いました。

先日の講演の時に、千葉さんは小説の話をほとんど何もおっしゃらなくて、「この小説は出したばかりなので、今はまだ何も言わないでおこうと思っているんです。」とおっしゃっていました。その言葉を聞いて私は当たり前やけど、「この小説を大切にしてはるんやなぁ!」と思ってジーンとしました。

講演を聴きに行く前に、『デッドライン』を読むか、『動きすぎてはいけない』を読むか迷って『デッドライン』を選んだのですが、(本当は両方読んでから行きたかったけれど)選んだ理由は、書店でパッと中を開いてみた時に、繊細そうな文章が書かれていたからです。千葉さんが初めて書かれた小説で、何を書きたかったのか読んでみたい!と思いました。読んで良かったです❗️

芥川賞に『デッドライン』が選ばれてほしい‼️

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