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岸本佐知子『ねにもつタイプ』を読んで📚

今日は、昨日読み終わった岸本佐知子さんの『ねにもつタイプ』という本をご紹介します。『ねにもつタイプ』という題名が、ちょっと怖いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、怖くないです!
私が思うに岸本さんは何十年か前のちょっとした出来事などを、度々思い出したりされるので、そのことをおっしゃっているのではないかと思います。私の勝手な解釈ですが。

この本は、エッセイなのですが、岸本佐知子さんは翻訳家で、おうちで翻訳のお仕事をしてらっしゃる場面がよくエッセイの中でも書かれています。
意味のわからない一文に出くわし、どう翻訳すればいいのか困った時などに、別のことを考え始めて、そこから次から次へと繋がっていく想像の世界が面白いです!
「アッハッハ!めっちゃおもろい!」と連発しながら、大笑いしながら読みました。こんなに笑えるエッセイなんて、そうそうありません。憧れです。こんなふうに書けたなら!と思いました。
少しだけ引用します。

『フェアリーランドの陰謀』
たとえば、シャンプーとリンスを買う。シャンプーとリンスの容器はとてもよく似ていて間違えやすいので、同じものを買わないように、何度も何度も確かめてからレジに向かう。間違いない、確かにシャンプーとリンスだ。 夜、まず髪をシャンプーし、ついでリンスを髪にすりつける。やたら泡が立つ。ボトルを確かめる。シャンプーだ。 誓ってもいい、買う時には絶対にシャンプーとリンスだったのだ。なのに目の前のボトルはシャンプーとシャンプーに変わっている。    
岸本佐知子. ねにもつタイプ (ちくま文庫) 

シャンプーとシャンプーに変わっているのは、妖精の仕業だ!というお話です。私も今度からそうしよう!と思いました。
1つ1つが全然違うパターンのお話で、ショートショートみたいなお話もあって楽しいです。どこまでがノンフィクションで、どこからがフィクションなのか私には判別できません。それはもうどっちでもいいのかもしれない、と思いました。

あぁ、それわかる!と思うこともたくさん出てきて、楽しく読みました。
こんなふうに書けたらいいなぁ!

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