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最近読んだ本の話 vol.109

 「最近読んだ本の話」の第109弾です。台風が去ってまた猛暑が戻ってきました。いつまで暑いんだろう?今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、森沢 明夫『ロールキャベツ』

人生の脚本は、
自分で書き換えられる!
夢も趣味もない大学2年生の夏川誠をかえたのは、
ただ椅子に座るだけの遊び「チェアリング」の
仲間たちだった。
『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』の著者が贈る
青春起業小説!
チェアリングとは?
椅子を持ち歩いて、好きな場所でくつろぐこと。
さぁ、椅子を持って出かけよう!

Amazonより引用

 「チェアリング」って聞いたことはあるけどやったことないです。好きな場所にイスを持って行って景色を見ながらコーヒーなど飲んで楽しむらしいです。
 主人公の夏川誠は大学2年生ですが、将来の夢も趣味も特にありません。ある日気晴らしに海を見に行ったら、同じ大学の女子2人と出会って、彼女たちはチェアリングをしていて…。誠の同居人の2人も加わり、同級生5人でチェアリング部を作って活動を始めたら、ランチやコーヒーを提供するサービスをしてほしいと頼まれるようになります。5人はそれぞれやりたいことがあったりなかったり、家庭の事情があったりするのだけど、打ち明けたり話を聞いたり、支え合って乗り越えていきます。自分1人ではどうにも動けなかったことが、仲間と関わって変わっていけるところがいいなあ。私もやってみようかと、自分も一歩踏み出せそうな気持ちになりました。

 

2、吉本 ばなな『小説家としての生き方 100箇条』

『キッチン』での鮮烈なデビュー以来、名実ともに一流小説家として最前線に立ち続ける吉本ばななが綴る「生きる流儀」とは?

Amazonより引用

 吉本ばななさんの生き方の流儀って気になる!と思って読みました。001から100までの100箇条で構成されていますが、001は「人の言葉で書かない。自分の体から出た言葉だけを書く」です。この本を読むと吉本さんが大切にしていることがわかります。オンとオフはないんだな。書かれたものは作家そのものなんだなあ。自分とは違う考え方だけど、こういう考え方をしたい!と思うところがたくさんありました。読めてよかった!


3、柚木 麻子『オール・ノット』

友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。
貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。
「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」
彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。
今度の柚木麻子は何か違う。
これがシスターフッドの新しい現在地!

Amazonより引用

 柚木麻子さんの新刊は絶対読みたい!と思っています。今度はどんな物語なのかドキドキしながら読みました。
 大学生の真央は、アルバイトを掛け持ちしながら学費や生活費を稼いでいます。スーパーのアルバイトで出会った山戸四葉は不思議な人で、四葉が販売した商品は他の人の何倍も売れて、その店の売上を跳ね上げさせるそうで、新商品を売ってほしいという依頼が殺到しているものすごい販売員らしい。その四葉と仲良くなった真央は、手作りのお菓子や飲み物をもらったり、2人でお菓子の懸賞に応募してノートパソコンをもらったり、とうとう四葉の全財産だという宝石箱までもらってしまう。真央の事情で連絡を取らなくなってしまったが、かつて四葉からもらったシャツのお仕立て券を使ってみようと訪れた店で、四葉と親友だったミャーコに出会って…。
 真央と四葉、四葉とミャーコ、山戸家の人たちと、何十年もの間に起こった様々な人の関わりが描かれていて、謎めいた四葉の人生がだんだん明らかになりますが、四葉の視点ではなくそばにいた誰かの視点から描かれています。そういうことだったのか!と最後にはすっきりしました。


 暑い暑いと言っているうちにもう8月半ばです。最後までお読みくださってありがとうございました。

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