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最近読んだ本の話 vol.44

 「最近読んだ本の話」の第44弾です。本がなかなか読めなくて、少しずつ読めるようになってきました。最近読んだ本3冊を今週はご紹介します。


1、青山 美智子『ただいま神様当番』

ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!
突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……
「お当番さん、わしを楽しませて」
幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。
奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。
笑えて泣けるエンタメ小説です。         -Amazonより引用-

 自分がもし「神様当番」になったら?想像すると楽しいです。「神様」を名乗るおじいちゃんは、神様っぽくないというか、わがままで可愛らしいおじいちゃんで、「神様当番」になってしまったら、その「神様」を楽しませなくてはいけません。事務員をしている咲良は、「神様」を楽しませようとする過程で自分の好きなことを見つけて、勇気を出して行動して自分の世界が楽しい方に広がります。小学生の千帆は、嫌いだった弟の良い所を発見して仲良くなります。ちょっとしたことがきっかけになって、不満に思っていたことが解消して楽しさが増す、「神様当番」はすごいです!


2、村上 春樹『一人称単数』

6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集
「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数」の世界にようこそ。
                   -Amazonより引用-  

 読みたいな、と思い続けてようやく読めました!村上春樹さんの短篇小説集、ということでワクワクしながら読み始めました。8つの短篇が収録されています。どの作品もちょっと不思議で独特の世界に引き込まれます。村上さんの昔の実体験がもとになっているのでは?と勘ぐってしまったりしながら、楽しんで読みました。
 読みながら、やっぱり好きだ!と思いました。村上春樹さんの作品を読んでいると、ここに私の居場所がある、と感じます。なぜなんだろう?それは私がたとえどうであってもこの人は受け入れてくれる、と感じるからかもしれません。そう感じることって他の本ではありません。読めてよかったです。


3、グアダルーペ・ネッテル『赤い魚の夫婦』

第3回リベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞受賞。
メキシコの作家が贈る人間とペットにまつわるちょっと不思議な物語。
初めての子の出産を迎えるパリの夫婦と真っ赤な観賞魚ベタ、メキシコシティの閑静な住宅街の伯母の家に預けられた少年とゴキブリ、飼っている牝猫と時を同じくして妊娠する女子学生、不倫関係に陥った二人のバイオリニストと菌類、パリ在住の中国生まれの劇作家と蛇……。
メキシコシティ、パリ、コペンハーゲンを舞台に、夫婦、親になること、社会格差、妊娠、浮気などをめぐる登場人物たちの微細な心の揺れや、理性や意識の鎧の下にある密やかな部分が、人間とともにいる生き物を介してあぶりだされる。
「赤い魚の夫婦」「ゴミ箱の中の戦争」「牝猫」「菌類」「北京の蛇」の5編を収録。
2014年にはエラルデ文学賞を受賞するなど国際的に高い評価を受け、海外では毎年のように「今年のベスト10」に取り上げられる実力派作家グアダルーペ・ネッテルの傑作短編集、待望の日本語訳。   -Amazonより引用- 

 気になる!面白そう!と思って読みました。5つの短篇が収録されています。「赤い魚の夫婦」は、熱帯魚を知り合いからもらい、飼い始めた夫婦の話ですが、とても怖いです。赤ちゃんが産まれてすれ違っていく2人と、喧嘩する熱帯魚の夫婦。心理描写がすごいです。5篇とも日常と隣り合わせのできごとでありながら、その語り口に引き込まれる感じで、あっという間に取り込まれてしまう不思議な魅力があります。他の作品も読んでみたいです。


 今週は「最近読んだ本の話」を書くことができました。これからも少しずつ読んで、書いていけたらと思います。最後までお読みくださってありがとうございました。

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