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最近読んだ本の話 vol.90

 「最近読んだ本の話」の第90弾です。あっという間にもう2月です。今週は雪は降らなかったです。最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、辻堂 ゆめ『二重らせんのスイッチ』

俺は犯人なのか――。
強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。
証拠は全て雅樹の犯行を示す!
最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。

「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」
2015年2月、桐谷雅樹の“日常"は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。

Amazonより引用

 身に覚えのない犯罪の容疑で、ある日突然警察に逮捕されてしまったら…主人公の雅樹は犯人のはずがないのに、DNAまで一致するなんてどうなっているんだ⁉と気になって、一気に読み進みました。書いてしまうとネタバレになるので書きませんが、そんなことがあったなんて!なぜ両親は雅樹が逮捕された時点で言ってくれなかったんだ!と私も思いましたが、あとから事情があったとわかります。雅樹はこんなことに巻き込まれたのにいい人で、恋人の奈美もめっちゃいい人です。最後にアメリカで再会するところが楽しそうでよかった。


2、成田 名璃子『世はすべて美しい織物』

染めて織る、私の物語を
織り人たちの「業」と「歓び」が織りなす、新たな感動作の誕生。
〈桐生の養蚕農家の娘として生まれた芳乃〉と〈東京でトリマーとして働く詩織〉。伝説の織物「山笑う」をめぐり〈昭和〉と〈現代〉、決して交わるはずのなかった、ふたつの運命が、紡ぎ、結ばれていく――。抑圧と喪失の「その先」を描く、感涙必至のてしごと大河長編。

Amazonより引用

 昭和十年代の桐生で糸を染めて織る芳乃の物語と、現代の東京でトリマーとして働く詩織の物語が交互に描かれています。詩織は手芸が大好きなのですが、母親に強く禁止されて学生時代は手芸部に入れず、卓球部に入って特別に許可をもらって片隅で手芸をさせてもらっていました。トリマーになり、お客さんの京香さんから機織りができる工房を紹介してもらい、仕事帰りに通うようになります。京香さんに誘われて桐生で開催される手しごと市に参加することになった詩織は、出品するものを作りためていたのですが、出発する前日に母親に全部捨てられてしまいます。なぜ作ることをそこまで反対されるのか?
 桐生の山で採れた草木で糸を染めて無心に織っていた芳乃に、ある日見合いの話が持ち込まれます。相手は織物の商いで成功している新田商店の次男の達夫で、芳乃が織った着物を大変気に入って買い集めていると言います。うちに来れば好きなだけ織れるぞ、と言われ嫁いだ芳乃でしたが、徐々に戦争の影が桐生の町にも迫ってきて…。
 とても語り尽くせない濃い物語です。織物が色々な人をつなぎます。私も織物を織っていたので感覚がよみがえってきて、無性に織りたくなりました。この物語の舞台になった桐生にも行ってみたいです。


3、原田 ひ香『老人ホテル』

生活保護を受給する大家族で育った天使は、キャバ嬢時代に知り合った投資家の綾小路光子と再会する。訳あり老人たちが長逗留するビジネスホテルにひっそりと暮らす光子の指南で、極貧人生から抜け出そうと、生きるノウハウを学ぶことになるが……。秘密を抱えた二人の「投資版マイフェアレディ」!

Amazonより引用

 以前から気になっていた原田 ひ香さんの作品を初めて読みました。
 主人公の天使は、キャバ嬢時代に知り合った綾小路光子と再会し、あとをつけてビジネスホテルで暮らしていることをつきとめ、そこで働くことにして光子と話すチャンスを狙っていました。天使は光子からお金持ちになる方法をどうしても教えてもらいたかったのです。光子からお金持ちになる方法を教えてもらい、実践し始めた天使ですが、ある日突然訪ねてきた母親に通帳と印鑑を盗まれてしまいます。この時の光子の行動はカッコいいです。最後の場面が不穏なような、1つの犯罪はしてしまったけどそれ以上のことはしなかったということ?


 今週も寒かったですが、何とか元気に過ごせました。最近仕事中にくしゃみが出るのですが、埃っぽいのかと思ってたけど、もしかして花粉のせい?最後までお読みくださってありがとうございました。

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