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最近読んだ本の話 vol.31

 「最近読んだ本の話」の第31弾です。お盆休みですが、雨がよく降っています。どこにも出かけられませんが、毎日本が読めました。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、岩井 俊二『零の晩夏』

モデルが例外なく死に至るという“死神”の異名を持つ謎の絵師ナユタ。その作品の裏側にある禁断の世界とは。渾身の美術ミステリー。
                         -Amazonより引用-

 モデルが次々に亡くなるってどういう話なんだろう?と興味を持って読みました。主人公は謎の画家ナユタを調べて記事を書くことになるのですが、その依頼をした画廊主の根津さんが曲者です。この人は何を考えているんだろう?そしてナユタのことがわかってくるにつれて、ここに足を踏み入れなかった方がよかったんじゃないか⁈というような恐怖感も漂い、だからといってナユタの謎の部分も気になるし、もう一人の画家零のことも気になる。主人公の後輩で絵がとても上手い加瀬くんも謎めいている。その謎たちが解明されるのを見届けるまでは気になってしょうがなくて、どんどん読み進みました。面白かったです。


2、波木 銅『万事快調〈オール・グリーンズ〉』

満場一致で第28回松本清張賞を受賞
時代の閉塞感も、小説のセオリーも、すべて蹴散らす、弱冠21歳の現役大学生による破格のデビュー作
このクソ田舎とおさらばするには金! とにかく金がいる! だったら大麻、育てちゃえ(学校の屋上で)。
茨城のどん詰まり。クソ田舎の底辺工業高校には噂があるーー。表向きは園芸同好会だが、その実態は犯罪クラブ。メンバーは3人の女子高生。彼女たちが育てるのは、植物は植物でも大麻(マリファナ)だった!
ユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる、中毒性120%のキケンな新時代小説                      -Amazonより引用-

 学校の屋上で大麻を育てる?めっちゃ面白そうな小説やなあ、と思って読みました。読み始めると物語にぐいぐい引き込まれます。映画や本や音楽がたくさん出てきます。主人公の3人も面白い子たちで、最後の最後まで気が抜けない、そして最後の場面、大丈夫だったんだよね?心配になりました。その後の3人も知りたいです。3人が映画とマンガと音楽で上手くいったらいいのになあ。


3、高橋 久美子『ぐるり』

夫婦、友達、親子。この地球に生きる私達の日常は奇跡のような出会いとすれ違いの積み重ねでできている。19編の短篇からなる初の小説集。挿絵 奈良美智                                    -Amazonより引用-

 表紙の奈良美智さんの絵の表紙が気になって、読んでみたくなりました。19編の物語が収められています。1編目の「柿泥棒」というお話は、高校のバレー部のチームメイトで、卒業後も仲の良い小鳥と優子は、東京に住む小鳥の家に優子が大阪から遊びに来た時、東京の住宅街に植えられている柿の木の、実が全然収穫されていないのを見て柿を取ろうと企みます。高枝切りばさみを購入して難なく柿を40個ほど取り、食べてみたら渋柿だった。ここであきらめる二人じゃありません。その渋柿の皮をむきベランダに吊るして干し柿にします。その光景を見た小鳥の夫は、別れてくれと言い、小鳥は離婚を承諾します。小鳥は実家のある大阪には帰らず、優子くらい揺るぎない自分になるまで、東京に残り来年も柿を干そうと決意する、そんなお話です。面白い二人だな~。他にもいろんな話が収録されているのですが、登場人物が他の物語にも登場して面白いです。「DJ久保田」というお話には、他の物語に出てきた登場人物がたくさん登場して、後日談などもわかって面白いです。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。だんだん自分の好みがわかってきたので、本を開いて目に入ってくる文字をざっと見るだけで好きかどうかわかるようになってきました。これからもいろいろ読んでみたいです。最後までお読みくださってありがとうございました。

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