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知財女子のキャリア例 - 知財女子会オンライン -

知財女子会オンラインという活動の発起人のMoccoです。
本日は、知財系 Advent Calendar 2020の掲載記事としての投稿です。

なんと、高橋政治先生の記事からのバトンタッチです!(光栄です♪)
→「弁理士業は社会不適合者の受け皿なのか?」
 http://www.t-pat-eng.com/20201207/

0. 本記事のテーマは「知財×女子」! 

「知財×女子って、あまり世間に知られていないけれど女性の働き方としてキャリア形成しやすい&働きつづけやすいんじゃないか?」という知財女性の意見があります。
個人的にも、例えば旦那さんが転勤になったり、病気等でお休みがあったりしても、知財はリカバーしやすい職種だと思うし、女子に着目するなら「保育士さんや薬剤師さんと肩を並べる位、キャリア続けやすい職業ですよー」と言えるのでは? と感じています。

そこで今回、知財女性のキャリア一例として私の事例をお伝えするとともに、知財女子会オンラインの活動開始に至った経緯をお伝えします。

※目的から、女性としての立場にもフォーカスしますが、知財クラスタみなさまにも「だよねー」と言っていただける記事を目指し、事務所→企業知財の転職者目線なども含めて書きます!

知財女子会オンライン_KDS - コピー

1. 弁理士が夢の職業になったワケ

「高校生の頃から弁理士になりたかったんです!」が飲み会の鉄板ネタです、という記事を以下で書きました。何々? 何で高校生の時に弁理士知ったの? という疑問の答えから・・・

3年生で文理が分かれる高校に通っていたのですが、正直「中途半端な理系」で専門には悩むし、将来何を目指すか?も決まらない・・・そんな状況でした。そこに、資格に詳しく&司法書士事務所で働く母による「理系なら弁理士がいいんじゃない?」というキラーワードが降ってきました。

そこで『弁理士になろう』という感じの(※昔すぎてタイトルうろ覚え)を読んでみたところ・・・

・「理系的バックボーン」ながら「文章力や語学力」を活かせる。
(※法律仕事や書類作成)
→ この文理中庸的な仕事内容にとっても惹かれる!
  海外で活躍できるチャンスがあるのも素敵♪

・「女性もキャリアを続けやすい」
(※専門職ながら危険&体力仕事なし)
→ 私は女子でもずっと働くタイプだろうなーと思っていた。

なんか自分にピッタリじゃん!と直感し、知財業界を志すことに決定したのです!

今思うと、きっかけ軽い。超軽い!(笑)
高校生なんて、こんなもんだよね・・・。


2. いざ、知財業界へ! - 年齢自覚と軌道修正 -

目指すのは早かったものの・・・、何やかんやで大学院に行き、新卒の企業研究職を経て、転職により特許事務所に潜り込んだときは、資格なし、知財の実務経験なし、意気込みだけでの突入でした!(若かったな・・・。)

「女性の働き方」がテーマなので、ここで後進のために、正直に少し言いにくい話に触れます。当初の計画では、もう少し企業経験を積んでから知財業界に入りたかった。でも、ふと「え?もう私〇〇歳じゃん!?」と気がついて軌道修正をしました。

院卒はストレートで進学しても、あっという間に20代後半
ここで、ようやく自分の年齢を自覚しました。

特に、①「弁理士試験に受かり」「特許実務を覚える」とすれば、短くても数年は必要です。
 ②さらに私は「結婚なんてしない」と思っていたのが方向転換したので、出産や子育てを視野に入れるならば、諸事情考えると自由に動ける時間は少ないと、気がつきました。

キャリア優先か家庭を持つか、さらに子供をもつかどうか・・・同じ女性といっても、皆さんそれぞれ選択肢は様々で、それぞれに喜びやご苦労が隠れていると思います。(あくまで上記は私の場合の一例にすぎません。)

総括して、知財業界を目指す方に向けての一言としては、「専門職であるが故に、最初の数年位は修行期間が必要」なこと。ここは共通して、キャリア形成の際に考慮すべき、大きな要素かなと思います。

3. 特許事務所で10年  - 事務所勤務に向いてる人 -

さて、あるのは意気込みだけで突入した特許事務所での実務でしたが、目指していただっただけあって、結構すぐ「私、向いてるな。」と思いました。

ここで、私なりに、特許事務所勤務に向いているかどうかのアドバイスとなる指標を挙げるならば・・・

すっごく静かな空間で黙々と仕事ができること
② 異動や上司の交代等のない、変化が少ない日々にも苦が無いこと
サービス業が許容可能なこと

①は企業知財でも多少通じるところがありますが、②③は企業知財と事務所で大きく異なるところかなと思います。
②について、スキルアップのための異動といった手段のとれる事務所は一握りで、基本的には転職でもしない限り企業知財に比べると変化はとっても少ないです。
③について、企業にサービスを提供する側である点では、企業知財とは全く逆の視点や自覚が必要なのでは、と思います。

特許事務所の働き方に慣れ、最初に勤めた特許事務所は幸い相性もよく、その事務所に10年お世話になりました。その間に、夢であった弁理士試験にも合格できました♪

4. 企業知財で5年 -  企業知財で感じること -

その後、今は企業で知財業務をしており、約5年が過ぎました。管理業務の担当で大半を過ごしており、分かりやすいところでは知財教育や著作権等から始まり、幅広く色々チャレンジできているのが現状です。

個人的に、企業勤務を経て、自分が変わったなと思うところは、業務に対する「スピード感」「重要度」の意識でしょうか。逆に、特許事務所勤務の頃は、やっぱり「法定期限」「担当責任」の意識が強かったかなーと思います。

特許事務所から企業知財への環境変化を経験してみて感じることは・・・

① とにかく前進すること(変化)が求められる
② うまくコミュニケーションできる方が断然仕事を進めやすい
負担も大きいが、挑戦できるスケールも大きい

これ以外にも、様々な特許事務所との違いはあるのですが、企業知財の場合には、特許事務所よりも更に「組織の違いによる差」が大きくて、企業知財というくくりで一般化するのが難しいかなぁ~、という印象があります。

上記を踏まえて思うことは、企業知財をこれから目指される方は、企業知財に向いているかの視点よりも「勤務先企業との相性」を重視された方が、長く勤めるためには良いかもなー、という気がします。


5. 知財女子会オンラインの前進? - IP Woman -

そんなこんなで、これまでキャリアの大半を知財業界で過ごしています。
ある時、ベテラン女性弁理士さんからパテント誌の「女性弁理士」特集があることや、かつて「紫青会」という女性弁理士の会があったということをお伺いしました。

そのことを気に、女性弁理士の会って、もしあったらどうだろう?楽しそうじゃない?と始まったのが「IP Woman」です。
IP Womanを始めるときに、弁理士だけじゃなくて知財の仕事に関係する女性って、例えば弁護士さん等もいらっしゃるから、そういう方々にも是非、参加して欲しいねー、という思いで活動していました。

このIP Womanは実際にお店に集まって皆でワイワイ開催していた会で、東京在住以外の方もグループにはご参加いただいていたものの、なかなか実際にお会いできる機会は少ないのが現実でした。

IP Womanも、とっても楽しい会でした♪
幹事の事情により、残念ながら現在は活動終了となっています。


6. 距離なく会えるメリット  - 知財女子会オンライン -

さて、IP Womanの活動終了後、しばらくして現在のコロナ状況下になりました。
ふとしたきっかけで、IP Womanの時は実際にお会いできなかった、東海地区の方とTwitterで再会(ならぬツイート会話?)する機会があり、「今だったらオンラインで女子会とか、いかがですかねー?」なんて会話に。

早速「知財のオンライン女子会やったら、参加される方、いらっしゃいますかー?」と試しにツイートしてみたところ、嬉しいことにお返事くださる方々が多数いらっしゃり、今に至ります! ありがとうございます☆彡

そして迎えた「知財女子会オンライン 第0回」にて、ようやく!今までお会いできなかった東海地区の方にもお会いできたとともに、東海地区に限らず、九州から東北、時には海外からのご参加もいただき、オンラインならではの距離を感じないメリットがあるなー、と感じています。

また、私と同様にお子さんがいらっしゃる場合、「夜、外に出かける時間をつくる」ことのハードルは高いことが大半ですが、オンラインならば自宅にいながらにして参加できる!これも大きなメリットではないでしょーか。

知財女子会オンラインについて、もっと知りたい!という方は、こちらもどうぞー♪


7. で、実際どうなの? - 来年への抱負 -

・・・とまぁ、女性として知財業界で働いてきた印象を「前向きに」語ってきた訳ですが、やっぱり最後に本音的なところを正直に吐いてから終わりたいと思います。

このグラフの後半戦を見ていただいたら、視覚的にもお分かりいただけると思いますが、「ようやく知財業務が分かってきたなー」という位から、このお二人さんのお相手が加わり、仕事はいつも「低空飛行」です。

さらに、弁理士合格同期を始め、知財業界は優秀で華々しい方々で溢れていて、どうしても誰かと比較して落ち込んで・・・ということが多くありました。

そんな中、色々と業務外活動を続けていた理由として、人脈の構築という面以外に、仕事は低空飛行でも「できるときに、できることを」やっておきたい、という思いがありました。

と・は・い・え。何だか色々やってきたこと、これらを活かすチャレンジをしよう!というのが来年に向けた私の抱負です✨

「知財業界、凄い人だらけだけれど、私は私でここで培った得意なことを活かしてみよう!」

またチャレンジして大失敗するかもしれないけれど、大概、私は「やらないで後悔するより、やらかして後悔する派」なので、いいかなーっと♪

皆様は来年に向けて、どんな抱負をお持ちですか?


さてさて、明日以降の知財系 Advent Calendar 2020の記事も楽しみです!


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