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私は「アイ・フィール・プリティ! 」と鏡の前で言えるだろうか

私の場合、気分が落ち込んだときは映画や動画を観ている。作品の世界をただ受け取るという行為が、乾いたスポンジに水を染み込ませるように、心に効くからだ。今回紹介したいのは、自分の見え方ひとつで世界が変わる、そんな映画だ。

「目が覚めたときに、絶世の美女になっていたら……」

誰もが1度は妄想するシチュエーションではないだろうか。
「アイ・フィール・プリティ!」はそんな妄想を映画化した。


主人公のレネーは、自分の容姿にコンプレックスがあり、仕事も恋も積極的になれない。ある日、自分を変えようと通い始めたジムで、頭を強く打ち気絶してしまう。目が覚めて鏡を見ると、そこには理想の自分が映っていたのだ!理想の自分を手に入れたレネーは、仕事に恋に、人生がみるみるうちに好転していく。

実はレネーの容姿は全然変わっていない。頭を打ったショックで、自分が理想の自分に見えているだけである。もともとレニーは頭の回転が速い。「自分は絶世の美女である」というポジティブマインドがプラスされたから、人生が大きく変わったのだ。

(ちなみに、この作品のアメリカンコメディーらしいポジティブで誇張した表現が、苦手な方もいると思う。共感性羞恥心の方は見てられないかもしれない。)

理想の自分に精神が追いつけるか

急に絶世の美女になってしまった(と勘違いした)レネーは、無意識に周りを見下した態度になってしまう。本来の彼女の良さである、周りを気づかえる性格にかげりが出てしまったのだ。

同じ見た目でも、「なんだか自信なさげな人」から「自信満々で憎めない人」へ変化し、「嫌味な人」に変化するレネーの顔つきはだいぶ違う。

「なんだか自信なさげな人」のレネーは、きっと街で見かけても、気にも留めない。「自信満々で憎めない人」はかわいく見えるし、「嫌味な人」はツンケンした顔に見える。すべては気の持ちようで、美人にも醜くも見える。

この作品は、あえて「絶世の美女になったレネー」を映していない。あくまでレネー役のエイミー・シューマーの演技のみで表現している。そこが、見た目ではなく「自分に自信を持つことが一番大事」というメッセージを強く伝えてくる。

自信を持つことを思い出すために

「自分に自信を持つことが一番大事」というのは、たくさんの作品で言われていることだ。わかっているけれど、なかなか実行できない。頭を打ってポジティブになれれば、どんなにいいだろう。

そのために、「アイ・フィール・プリティ!」のような作品があるのだと思う。そのままの外見で、自信満々に生まれ変わったレネーを見ると、「自分もできるかも」と思わせてくれる。自信を持つことを忘れたときに見返したくなる映画だ。


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