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✴︎アーカイヴ✴︎「時雨美人伝」第2回【「かぐらむら」96号より】

あと少ししたら、時間に淘汰されて、神楽坂の街からこの”冊子”は消えていってしまいます。けれどこういう冊子があったこと、そしてそこで連載した中身についても、アナログ&ITの双方の世代と言える自分は、きちんとアーカイヴして残しておき、後からでも「こんなのあるの知ってたら読みたかったわ!」と云う方に読んでいただけるよう、わかりやすく残しておきたいと思います。そんなわけで「桃果子の時雨美人伝」(←なんども言うけどこれが正式名称なの。笑)そんなわけで第2回(96号)のご紹介。
<第1回はこちら。

⬛︎第2回 長谷川時雨と三上於菟吉 
「太陽と太陽の結婚〈前編〉」(「春光の下に」)

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このページではシンプルにリンクを紹介し「こぼれ話」や「逸話」は別の記事に書いていく方向なのだけど、書きそびれた面白い逸話を一つだけ紹介します。甥っ子の仁さんの回想より。

「時雨が於菟吉を世に出すために注いだ情熱はものすごかったですね。たとえば初め家賃7円の家に住んでいたとする。それを1作認められたとたんに70円の家に引っ越すんですよ。逃げられませんからね、於菟吉は家賃のために次々と仕事をしていく。そのうち余り仕事が多く手に負えなくなると時雨がすらすらと代筆していました。於菟吉そっくりの文章と字で、そうかと思うと貧乏時代、お白粉どころか米を買う金にも困る。それを何も知らない於菟吉に少しは白く塗ったらと言われて歯磨き粉を塗ってごまかしたなどという愛らしさもあったようですよ」

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写真中央が仁さん。一緒にラジオを聞いているところ。3人で暮らした家族ならではのエピソードだと思う。
時雨さんは三上さんに寄り添うと決めた時から徹底的にその暮らしにも寄り添った。どこへ行くにもお抱え運転手のいた売れっ子劇作家の大御所の時雨が、電車を使い、近所の銭湯に「ギトギトと油くさくって・・・」と嘆きながら通い、米がなくなったらそっと買い足して、そんな通い妻をしていた赤城元町の頃。

(「時雨美人伝」第2回 全文はこちらから⬇︎)

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⤴︎関係ないけど、おでんの美味しい季節になりました。笑。


なお、この「かぐらむら」を毎回読んでレビューを書いてくださったお知り合いの方がいます。せっかくなので、末尾に添えます。
※以前のアーカイヴにも添付いたしました、遡って読んでいただけます!

<↓ラズベリーさんによる「時雨美人伝」レビュー>

【✴︎アーカイヴ✴︎第3回】に続く!
【時雨こぼれ話】も引きつづきお楽しみに!


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