見出し画像

第25話 ✴︎ 「ときにはラフに」By"イーディ/InnocenceDefine”✴︎2024✴︎

いつもこの「ひとかどアーカイヴ」はその他の締切や縛りがあるエッセイに追われた結果半年に一回くらいの頻度での更新になるがゆえ、あまりにも”想いのこもりすぎた”アーカイヴになってしまっているので、ときにはラフに。

前回のアーカイヴは「絶体絶命の時にできること」は「諦めないということ」というエッセイを、夜な夜なオリンピック観戦している人らしいかぶれ方で笑、スポコン風に綴ってみましたが、元来感覚的に人生をデザインしてきた自分がアスリートのそれになれるわけもなく、8月8日のライオンズゲート界隈から「んん?」もしかして「諦めないの方向を間違えているのではないか?」抜本的な全ての解決のためには表層上のアイテムや方法論を全部「諦めてみるのも手なんじゃない?」ということで、
前回このアーカイヴを書いた時とは真逆の「全部諦めたところからの」「チルな諦めなさ」でゆくことにいたしました。
詳しくは先週の月モカをご覧ください。

Droxbox整理してたら出てきた去年の8月の写真。

この月モカの時はまだ「見え始めた!」という感じであったのですが、
先週水曜に、ちょっと個人的な案件で不動明王のマントラを誰かが唱えている動画が見たくて、探しているととても素敵な和尚さんのチャンネルに行きつき、こう自分が幻冬舎と国のお仕事でアラビヤへ行った2015年から小説家として追いかけてきた何か、それが形状的には「スピリチュアル」と銘打たれてしまい、そうだとなんだかちょっと違う、ということで”パチン”とハマっていなかった部分が「仏教」という形でなんだかストンと胸に収まりまして、つまりは先週の月曜よりもさらに凪の気持ちで、本日これを執筆するに至っている。作家的な悟りに関しては近々小説家のモカとして配信している「日曜Tube」でお話しようと思うが、この感覚はお店にも活かせるなぁと思って、すっごく小さな仏像を、まだ届いてないが店の奥の小窓用に購入してみた。

こちらは増上寺/8月8日
神様カード/著者の大野百合子さんとの対談はこちら!

神道および古神道のことはもう長年研究しているが、神様って「荒ぶる」し「怒れる」のが神なので、なんていうかこう乱世と共に激しくなる分断や行き場のない怒りのようなものがお店に充満した際にそれを「鎮めるもの」って実は神じゃないよなあ。とかって思っていたわけでしかしそれでも仏教というモチーフにメンションしていなかった。かつてスペインから来たジョゼフに「神道と仏教は何が違う?」と聞かれた際、さっと答えられなかったんだけど個人的に今は陽出る(いずる)ところを司るのが神で、日沈むところを司るのが仏だなあという風に感じている。それは生と死であり、入り口と出口である。そういう意味では、うちのお店って、開業の日に火事があったこともあってすぐに小さな神棚をこしらえたけど、仏壇というか、つまりは「出口」ってなかったなあと思って。その時に「そうか」と。どことなく皆や霊能者たちが気にかけているイーディの奥の小窓、元々はそこにトイレがあったという小窓の部分、あそこは「出口」であり「浄土への入り口」でもあるから生きている人がすこし怖く感じたのか、と思った。

そして何よりあの場所に必要なのは”祓い”や”清め”ではなく「仏様」であったと。それでわたしはこの古民家の中に小さな生と死を作ることにした。
小さなタイムラインでここに来る人は「今生まれ、そして死ぬ」そしてまた新たな気持ちでこの小さな時空のトンネルを抜けてゆくのだ。そんな感じ。

とある日のりさこ先生。

そのような境地に行き着くと「絶体絶命だけど諦めない!」とか「脱赤字!」とか「売り上げを追いかけて!」とか、向きもせぬのに経営者ぶっていた自分の次元が非常に低く感じてですね(笑)

よくわからないけどこの箱に選んでいただき、何かそのような小さな生と死を祀る仕事に就かせていただきその形なき仕事が何人にもみやすい形となったのが「女主人」であるとか「店」とか「小説家」とかそういうものであるのにすぎないのに、売り上げや飲食店としてあるべき姿などを追いかけようとしていたわたしはまさに仕事が形骸化してしまっていた(意味を調べたんですが、実質的な意味を失い、形式だけが残ることを形骸化というらしい。まさに本質がスケルトンになってしまった状態だな!)。
あと一歩でわたしも小さな死を迎えるところでしたがーーいやある意味迎えたのかもーー今はこう「求められる仕事」というものをしくしくとさせていただきたい、と考えている。

結局酒の仕入れ値を暗記できぬまま仏教に突入したわたしがそろばんを使える日など一生こないのだから、わたしはわたしなりの道理で生きてゆこう。きっとわたしは飲食店経営者の顔をした仏教徒なのです。と、まだ仏教を全然理解してないのに自分を仏教徒にし立ててしまいましたが、これが出鱈目でないところが日本人ですよな。お葬式にお坊さんに来ていただく我が家、おばあちゃんおじいちゃんの仏壇に手を合わせるお盆を迎えるわたしは、意識せずとも生まれた時から仏教徒なのでございました。

家族が滋賀で墓参りしていた夜、わたしも亡き祖父2人、
祖母ひとり大叔母ひとりのための晩酌を。
店で使ってるこれら全部この人たちがかつて使っていたものだし
コップ選ぶの準備するの簡単だったわ!

(こちらは最新の「宵モカ」六本木時代のママ、れいこさんが来訪の上、りさこが浴衣姿に!という大変盛りだくさんな回でございます)

そんな感じで小さく悟りをひらき、プロポーズされてドバイで暮らすことになった隣人タフラのお別れ会を終え、

次回の「宵モカ」でくわしくお伝えします!
タフラ、人生最初の線香花火。

自分的にはもう9月な気分の8/27(火)本日から栞珈琲のアパレル展示会出張が始まりました。2023年上半期の神保町コラボ、修善寺コラボなど、いくつかの経験(嬉しいも悲しいも色々)を踏まえて、その時々に栞がしてきた準備(いつも報酬を上回る準備を相手方に失礼にならぬようしてきた)これまでに誰かから見たら「そこまでしなくても」「いいように使われちゃうだけだよ」と思われるような彼女の生真面目さや数々の誠意を、ちゃんと見てくれている兄貴がいて、涙が出るような好条件で今回オファーいただきました。
個人的には栞の持つユニセックスな雰囲気などはアパレルとすごく相性いいと思っていたので、ようやく今までの長い準備が花を咲かせた感じ、今から土曜まで楽しんできてほしいなと思っています。

コラボ with NEZU-YOUHIN TEN

展示会の様子は栞珈琲のインスタおよびストーリーをぜひご覧ください〜
(イーディのアカウントでも随時Repostします)


インスタはログインしないと見れなそうなのでXを貼っておきます〜
それではみなさま、次回のアーカイヴもお楽しみに!

ちなみにその和尚さんのチャンネルはこちらです!
不動明王のマントラ、すごいのでぜひ!

長く絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」と2012年の渾身作「誰かJuneを知らないか」がこの度、幻冬舎から電子出版されました!わたしの文章面白いなと思ってくれた方はぜひそちらを読んでいただけたら嬉しいの極みでございます!