『ペット・セマタリー』(スティーブン・キング)読書感想

タイトル:『ペット・セマタリー』
 (上巻・下巻)


著者:スティーブン・キング

出版社:文春文庫


これは後味の悪いようなホラー作品なのである。

家族愛、親子愛はスティーブン・キングの作品では当然あるのだが、意外な結末は他にもある。

つまり、タイトルの通り、ペットのお墓という話である。



★感想

(上巻)

“ペット・セマタリー”の映画リメイクとして公開した時に、書店に行って、原作の本を買うことにした。

“ペット・セマタリー”は「動物霊園」つまり、ペットのお墓である。

途中の部分はつまらなかったが、父親のルイスにとっては、娘のエリーが愛する猫をトラックで死なせてしまったので、エリーにがっかりしないようにどうやって説明するのか?と来たら、ゾンビとして墓から蘇ってしまった話。

呪い?か祟り?のせいで、次から次へと人が死んでいく

家族がどうなってしまうのか分からないので、大学病院の医者であるルイスは罪悪感と恐怖感を抱えてしまう。

謎が深まるまま、十分と恐怖感を漂わせてしまう。

キングの作品の伏線ポイント

40ページ辺りにルイスとジャドのやり取りで、“動物霊園”の話のついでに、メイン州の狂犬病事件の話したこと。

その狂犬病事件は“クージョ”と考察。

キングの作品で“クージョ”という作品もあったとされている。


(下巻)

上巻よりも話の内容が面白くなった。

つまり、怖い。

愛する人や大切な人が死んだら、どう悲しむのかが議題となってくる。

結構、恐怖もありつつ、悲しくて切ない物語である。

まあ、スティーブン・キングが求めているのは、親子愛でしょう。

エリーの愛猫であるチャーチがトラックに轢かれるし、息子のゲージもトラックに轢かれる。

ペットセマタリーの呪いだろうと思う。

医者であるルイスがゲージが亡くなってから段々と気が狂った。

“シャイニング”のジャックではありません。

ルイスは一体何を考えているのかを客観的にとらわれる。二重人格説。幻聴説(“キャッスルロック”のSeason1でヘンリー・ディヴァーが“神の声”もしくは“スキスマ”にうなされる)。心の中に悪魔が潜んでいる説。

文章の端に濁点が多く付いているので、読者にとってはその分の恐怖を味わってしまうのだ。

そのせいでエリーは悪夢ばかり見てしまう。

それを正夢に変わって、怖い、悪い現象に影響を反映してしまうのだ。

もしゲージが生きていたら、水泳のプロになり、水泳選手になっていたのにちがいない。
でも善き人生は送るのは本人次第だけど。

ルイスは亡き愛する息子への願望でそう思っていた。

心の中の悪魔?に従っているが、ルイス自身は大切な人を亡くせてしまったことを罪悪感に思ってしまうと言うことを描かれています。

それで墓を掘り起こして、ゲージを生き返らそうとしていた。

墓から蘇るや生き返らせることはつまり、ゾンビとかフランケンシュタインでしょうね。
ディズニーにあったティム・バートンの“フランケンウィニー”を更にホラーにした感じだと思ったら方がいい。

悪い“フランケンウィニー”的な作品。

ルイスは愛する息子ゲージの墓を掘り起こして、遺体を持ち帰り。

いや、待て。墓泥棒じゃん❗️

ルイスが見たゲージの亡骸はかなりグロテス
クだった。腐敗進んでいる。

死んだらこうなるのかっていう感じ恐怖感。

日本だったら火葬なので、燃えたら灰になるけど。

正しく、地獄絵図です

ペットセマタリー(ペット霊園)での呪われた墓場

ルイスはゲージの亡骸を持ち帰ろうとしたとき、怪奇現象が起きたことが恐怖感があった。

お化けの運動会的な?妖怪変幻。

p245では“そして一瞬、はるか上空に、ふたつの黄色みがかかったオレンジ色の閃光が見えたような気がした。一対のなまこに似た閃光”と書かれていますが、これはどこかで見たぞ、もしかしてIT(イット)現象かなぁと思った。

ペットセマタリーの話の中で、戦時中に亡くなった人や夫婦が学生時代で何だかの事故で亡くなった人や家族内で子供、ペットが亡くなったことも、不幸なことはあるが、いくらなんでも生き返らせることは不可能である。

生き返らせると、大変なことが起こります。

気持ち的には悲しくて、寂しくて、辛いこともあるのは分かります。

もっと一緒に居たかったのでそれだけ愛しているという思いやりは大切です。

でも、無辞めに生き返らせたら、怨霊やゾンビ等といった者が現れるので大変なことになってしまう。

しっかりとお別れを告げて、天国へと成仏したら方が良いと感じた

ラストはなんとも言えないような意外な結末だった。

これは正しく、映画を観た方にとってはえっ!?と思わせるような結末だったのでしょう。

本当に、マジ、正気!!??と思わせるような衝撃的な結末だった。


★オススメの方

スティーブン・キングのファンの方、ゾンビ系が好きな方、家族愛もしくは親子愛系が好きな方、ゾッとする系のホラーが好きな方


★まとめ

この本書の作品を読んだ後に、リメイク版の映画を観たが、部分的に原作通りだった。

ちょっと、ラストの部分が意味がわからなかったので、ある意味衝撃的だった。

私はスティーブン・キングのファンなので、他にも伏線となる作品を追求して読んでみようと思う。

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