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『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユゴー)読書感想

タイトル:『レ・ミゼラブル』

  (上巻・下巻)


著者:ヴィクトル・ユゴー


出版社:角川文庫


映画で上映した『レ・ミゼラブル』はミュージカル劇場だけれども、ある意味、フランス革命の中で、格差社会が起こり得ている。
貧困社会の中に、女性の労働に対する差別とかも生みだされているのであろう。
この『レ・ミゼラブル』の作品で有名な箒を履いているコゼットの絵柄を注目する。


★感想


(上巻)

ミュージカル舞台劇で有名な「レ・ミゼラブル」
当時のフランス革命の話。
18世紀のフランスでは、格差社会が殆どで、貧困の差が激しかった。
現在でも格差社会で貧困問題が問題視とされている。
パンを盗んだジャン・ヴァルジャンは終身刑で監獄に行っていたが、ガロー船で脱獄し、宿屋を探して脱走していた。
ジャン・ヴァルジャンはマドレーヌ市長に扮装して、哀れなファンテーヌを救おうとしていたが、警部に邪魔されて結局は救われなかった。
ファンテーヌの娘コゼットは宿屋でひもじい思いをした。
ファンテーヌは一番可愛そうだ。
ファンテーヌはコゼットという娘を生まれたけど、貧乏で宿屋に預けることにしたが、その宿屋によって、自分の娘のために自分の身を捧げて借金という費用を払った
しかも、何故ファンテーヌはそんな意地悪そうな宿屋の亭主にコゼットを預けたのであろうか。
ファンテーヌの半生がめちゃくちゃだ。
金持ちの身分階級は貧乏の身分階級をけなしているのが事実。

ジャン・ヴァルジャンの善悪の二極性を左右される。

そうではなかったら、ファンテーヌのこともコゼットのことも知らなかったし、ずっと悪事働いていたかもしれない。
ジャン・ヴァルジャンは自分の正体を隠し、コゼットを幸せにするために逃亡生活を繰り返してきた
ちょっとこの本書を気になったけど、私にとってはジャン・ヴァルジャンの気持ちは物凄く分かる。
良い人になるためには、自分の過去の過ちを償って、神父さんになって、意地悪な宿屋ある意味虐待されてきた哀れなコゼットを救って、幸せに育てた。
それは良いことだ!
だが、ジャン・ヴァルジャンの中には人に優しくするほどの思いやりはあるが、もう一つは悪事を働くことはまだ止められない
おい!そこは直してくれってそう思う。
思想と社会問題と哲学的な内容は書かれているけど、この上巻は登場人物の感情がメインで書かれている。
いかにも、面白みはある。
下巻へ続く...。


(下巻)


弁護士で革命を起こすマリウスがコゼットを恋をして、フランス革命?を起こす的な?
そこの下りからは殆どが政治的な思想がメインとなってくる。
マリウスの祖父は金持ちだけれども、コゼットの結婚は認められなかった
マリウスは昔、コゼットと同じく貧乏な暮らしをしていたとされる。
政治的な思想はなんとなく意味は分かる。
貧困問題と豊かな人生を送るために革命を起こす。
フランス革命の闘いがいざ始まる
ようやく、共和制が勝ったのだ!
王政国家から民主主義を変える時代!
マリウスと結婚してから当分、コゼットはジャン・ヴァルジャンと会っていなかった。
ジャン・ヴァルジャンはマリウスに事実を告白したため、マリウスは混乱し、ジャン・ヴァルジャンを会わさないことにした。
ジャン・ヴァルジャンの思いは過去の過ちの罪悪感を晴らすためだったのであろう。
最後の部分ははとても泣けた。
現在になっても、昔のように格差社会問題は起こり得ている。
その人の人生は幸せなのかそれとも救われようのない人生なのかどちらかで決められる。
これからの未来は上層階級に支配され、差別化された世界よりも平等で安泰で平和に過ごす世界にしていきたいと思った。
このヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」は革命、社会、個人の人生、道徳観念をテーマにした作品で実に興味深い。
翻訳する前の原文の内容が難しいのはそういった複雑な伏線が含まれていたのであろう。
これは昔だけではなくて、現在にも起こり得ている。
現在にも格差問題や色んな社会問題が起こり得ている。
そして、フランス革命のように理不尽な金儲けの政府に対して立ち上がれるのは誰なのか。


★オススメだと思う本


社会問題について考えたい方、このような現状をどうにかしてほしい方、フランスについて知りたい方はオススメです。


★まとめ


これから生きていく社会はどのような社会になっていくのかは分からない。
裕福で理不尽な政府に支配された世界だったら、私達、人類は『レ・ミゼラブル』よりも酷かったのではないか。
そこまで、格差を生み出してしまうと、民主主義じゃなくなってしまうのではないか。
そうならないように、国民・市民はどのようにして理不尽な政府に立ち向かうのか。
そして、皆が平等で、より良く豊かな暮らしするのはいつなのか。
今後、それについて考えるべきだ。

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