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マネタイズならこれで十分:アプリ内収益化の完全ガイド

画期的なコンセプトを思いつき、質の高いアプリを構築しても、ビジネスは壁に突き当たります。なぜでしょうか?最良のアプリしか稼げないからです。Tekrevolによると、App Storeのリストで上位にランクインするわずか200個のアプリだけが、1日あたり82,500ドルほどを稼いでいます。一方、上位800個のアプリの平均額は1日あたり3,500ドルで、収益に95%の差があります。


形勢を逆転するには、アプリ内収益化戦略を多様化し、利益率を向上させる必要があります。フリーミアムモデルと有料モデルのどちらを選んだとしても、堅実なモバイル収益化戦略によりビジネスの長期的な成長を実現することができます。

このMintegralガイドでは、アプリ内収益化の基本について説明します。これを使用することで、成功に必要な技術、広告の種類、注意すべき主な基準、そしてモバイル収益化戦略を初日から成功に導くためのベストプラクティスについて詳しく学習することができます。では、最初に質問ですが、モバイルアプリの収益化とは何でしょうか?

アプリ内収益化とは

アプリ内収益化またはモバイル収益化とは、パブリッシャーやデベロッパーがアプリで稼ぐことについて話す際に使用する用語です。ユーザーが有料でアプリをダウンロードできるようにしたり、サードパーティーの広告を表示したりすることでアプリ会社が収益を上げている場合、アプリ内収益化を行っていることになります。

収益化には、モデルと呼ばれるさまざまな種類があり、デベロッパーはキャッシュフローを生み出すために最大限に活用することができます。まずは、収益化モデルとは何か、そしてデベロッパーがさまざまな方法でどのように使用しているかを理解するのがいいでしょう。

どのようなアプリ内収益化モデルを利用できるか?

アプリを収益化する方法はいくつかあります。それぞれの方法がアプリ収益化モデルとして知られています。これらの収益化モデルは、収益を生み出す方法、ユーザー体験に対して行うこと(ユーザーのプライバシーに影響を与えるなど)、導入する際のデベロッパーの手間という点が異なります。

アプリデベロッパーは、さまざまな収益化モデルがもたらす課題と、それらがUX、アプリレイアウト、機能、アプリ開発におけるその他の側面に与える影響を認識しておく必要があります。ここでは、よく目にする4大モデルを取り上げます。

1.アプリ内広告(IAA)

IAAとは、ユーザーに広告を表示することでパブリッシャーが収益を上げる方法です。アプリ内でサードパーティーの広告を表示することで、パブリッシャーは、広告が閲覧されたり、クリックされたり、コンバージョンイベントにつながったりするたびに、支払いを受け取ります。具体的な例としては、ユーザーがお気に入りのワードゲームアプリで動画を視聴し、新しいハイパーカジュアルゲーム(またはeコマース)の広告へのリンクをクリックして、アプリのダウンロードや購入に至る場合などがあります。ユーザーが最終的に何かしらのコンバージョンに至ると、パブリッシャーは多額の支払いを受け取ることになります。

2.アプリ内課金(IAP)

アプリにアプリ内課金が含まれている場合、基本的にユーザーが有料でダウンロードできるアイテムが用意されています。このようなアイテムはアプリの種類によって大きく異なりますが、さまざまなゲームアプリでこのモデルを目にすることでしょう。課金により、通常プレイヤーは、より高いレベルに到達できるようになったり、新しいアイテム(武器や衣服などの装飾品)を獲得できるようになったりします。アプリ内課金(IAP)はユーザー体験を向上させ、ゲームに追加で投資するオプションをプレイヤーに与えます。他の例としては、フィットネスアプリや生産性向上アプリなどがあり、これらのアプリは1回限りの支払いで機能を提供する場合があります。

3.有料アプリ

ダウンロード課金モデルでは、ユーザーはアプリをダウンロードするためにお金を支払います。一時期、このモデルは最も人気のあるモバイル収益化モデルでした。しかし、技術は単純なダウンロード課金モデルをはるかに超えて発展しています。実際、現在世界中のアプリのうち、有料アプリはわずか 3.1% しかありません。

4.サブスクリプション

有料アプリと同様に、サブスクリプションモデルでは、ユーザーがアプリの一部またはすべての機能にアクセスするためにお金を支払う必要があります。Spotify、YouTube Music、Netflixなどの大手エンターテイメントアプリでは、サブスクリプションモデルを採用して収益化しているものもあります。

モバイルアプリのサブスクリプションを階層化する場合、イエスかノーかの2択に制限する必要はありません。アプリの内容によっては、複数のサブスクリプションパッケージを設定した方が適している場合もあります。たとえば、ユーザーに合わせて、無料、ベーシック、プレミアムのサブスクリプションを提供することもできます。

アプリの典型的な収益化の融合とは

ほとんどのアプリで収益化モデルは異なり、IAPとIAAをどのように割り振るかは、50対50から、80対20、あるいはそれ以上といった、より幅広い収益化規模までさまざまです。完璧なバランスと収益化戦略を決めるには、データを確認し、アプリのパフォーマンスはどの程度か、コンバージョンはどこから来ているかを分析します。

有料と無料の長所と短所

アプリを収益化する方法を決める前に考えるべきことがいくつかあります。たとえば、有料アプリと無料アプリには大きな違いがあります。有料アプリは、ブランド認知度の高さと優れたコンテンツに依存しています。アプリに支払うユーザーは、特にユーザー体験に大きな期待を持っています。また、有料アプリでは、収益化戦略の選択肢が制限され、長期的に見ると収益を損なう可能性があります。しかし、収益が即座に得られるため、その負担は相殺されます。

アプリの無料化にはいくつか利点があり、リスクが下がることによって収益を増やすことができます。無料アプリはコミットメントが少ないため、コンバージョンにつながりやすく、ユーザーを獲得するコストも安く済みます。しかし、お金をかけていないユーザーは、そのアプリはすぐにやめてしまいます。

アプリ内広告の概要

アプリ内広告は通常、アプリデベロッパーが収益化戦略を始める際に最初に手をつけることです。ほとんどのユーザーはアプリ内課金をしませんが、アプリを使い続けるために、特にリワードがある場合などは積極的に広告を視聴します。そのため、アプリに十分なユーザーがいれば、広告から収益を上げることができます。

IAAは特にゲームアプリに人気があり、異なるアプリのポートフォリオ間でクロスアドバタイズするために使用することもできます。IAAは導入も簡単で、手間のかかる作業は複数のパートナーが行ってくれます。

アプリの自然な流れに広告を組み込むことで、ユーザーの邪魔にならず、アプリ全体に適したものになります。それでは、IAAのベストプラクティスとその導入方法を見ていきましょう。

アプリ内広告のベストプラクティス

テスト頻度とその他すべて

アプリの中で最も収益性の高いものを特定するために、フォーマットや価格モデルを必ずテストしてください。それと同時に、ユーザーの行動も必ず分析します。遠慮せず、複数の広告プラットフォームをテストして、正常なCPMを生成するものを特定してください。

広告の表示回数をテストする場合は、表示回数が多ければ多いほど収益が増えるわけではないことに注意してください。ある2020年の調整レポートによると、ハイパーカジュアルゲームの「The Sweet Spot」では「広告表示回数が1分間に2~3回」でした。4回を超えると、収益が大幅に減少し、同時にリテンションも低下します。しかし、カジュアルやミッドコアなど他のジャンルでは、1分あたり2回の広告でも高頻度と言えます。テストして、自身に合ったものを見つけましょう。

視認性の確認

視認性(VIEWABILITY)を確認しないことは、収益を失っているとの同然です。モバイルディスプレイ広告のインプレッション数は、ピクセルの半分以上がユーザーの視界に入って初めてカウントされます。また、このような広告はレンダリング後1秒間表示される必要があります。広告をテストする際には、この点にご留意ください。

クリエイティブエクセレンスの実現

広告クリエイティブがIAAの成功に最も重要な要素であることは、マーケティング担当者なら誰もが知っています。広告のすべての構成要素を複数のバリエーションでテストすることが不可欠です。しかし、最も重要なことは、クリエイティブがプレイヤーの体験を妨げてはならないということです。ここでは、クリエイティブが今この場でどのように機能するかについてのヒントを紹介します。、

  • プレイヤーが広告を嫌っていない: Unityによると、少なくとも73%のゲーマーがアプリゲームの広告費モデルに満足していると回答しています。

  • 広告を戦略的に配置する:広告配置は、成功に大きな影響を及ぼします。実際にインパクトを与える場所に広告を配置することを検討しましょう。動画広告、プレイアブル広告、リワード広告などの形式は、モバイルユーザーにアピールする必要があるため、検証により最適な構成を見つけましょう。

  • 広告配置のA/Bテストを実施する:広告配置戦略がうまく機能しているかどうかを判断する最善の方法は、テストを行うことです。リワード広告はパフォーマンスの高い広告形式ですが、収益を最大化するには戦略的に配置する必要があります。

アプリ内広告の例

アプリ内広告がどのようなものか、サンプルをいくつか紹介します。まず、典型的な画像をご覧ください。

アプリ内動画広告がどのようなものか、こちらをご覧ください

アプリ内課金のルール

「マイクロトランザクション経済」の中で暮らしていると言う人もいます。最近のアプリの成功法としては、ゲーム内でレベルアップしたり、新しい体験を引き出したりするためのアイテムを販売することで利益を上げるのが主流となっています。そのようなアイテムには、メッセージングアプリのステッカーパックや、写真編集アプリの新しいデザイン機能などが含まれていることがあります。マッチングアプリではプロフィールの強化を販売したり、ユーティリティアプリでは異なる色のフラッシュを提供したりする場合もあります。

しかし、アプリ内課金を最も活用しているのはゲームアプリです。かつてDLC(ダウンロードコンテンツ)と呼ばれていたものは、今や数百万ドル規模のビジネスとなり、プレイヤーを惹きつける新しいアイテムやレベルを獲得する手段を提供しています。

アプリ内課金の背後にあるデータ

Unityは、最近の研究で、IAPの標準的なパフォーマンスを特定しました。以下をご確認ください。

  • iOSのIAP収益の56%(Androidは58%)が通貨、限定販売イベント、バンドルによるもの。

  • 1.01~5.00米ドルは、初回購入者をコンバージョンさせるためのIAP価格設定のスイートスポット。

  • これまでにIAPにコンバージョンしたプレイヤーの77%が、最初の2週間以内にコンバージョンしている。

このデータを念頭に置いて、アプリ内課金のベストプラクティスを確認し、最大限に活用する方法を考えてみましょう。

アプリ内課金のベストプラクティス

アップグレードする理由を提供する

お客様の支払いを促す最善の方法は、より素晴らしい体験を提供することです。アプリ内課金は、収益を生み出すためにしっかりとして魅力的なものでなければなりません。広告のない体験でもプレミアムコンテンツでも、ユーザーが感じる最大のペインポイントや付加価値を特定するためにテストを行います。ユーザーの出身国やその他の人口統計データに応じてオファーを最適化し、戦略を強化します。宣伝は、IAP戦略にとって難しい部分ですが重要です。

複数の通貨で差をつける

ゲームによっては、「ソフト」通貨と「ハード」通貨の2種類の通貨を用意しています。

  • ソフト通貨は、ゲーム内で特定の行動をとったプレイヤーへ与えらえるリワードであり、一般的に大量に提供されます。

  • ハード通貨は、ゲーム内での困難な行動によって限られた量しか獲得できないもので、プレイヤーはお金を支払って購入することができます。

ソフト通貨と組み合わせることで、プレイヤーに新しいアイテムを体験してもらうことができます。ハード通貨は、プレイヤーのゲームに変化をもたらし、進行を早めたり、展開を増やしたりする際に使用されます。

モバイルアプリの収益化に関する3つの重要な指標

以下の指標を常に把握することで、ビジネスパフォーマンス、収益の可能性、改善に重要な領域をより深く理解することができます。

アプリのスティッキネス

アプリのスティッキネスは、ユーザーがアプリを使い続ける程度を定義します。ユーザーエンゲージメントが高ければ高いほど、アプリのスティッキネスは高くなります。この指標を計算するには、以下の式を使用します。

1日のアクティブユーザーあたりの平均収益

1日のアクティブユーザーあたりの平均収益(ARPDAU)は、アプリ内収益化の成功を評価する指標です。ARPDAUによって、広告キャンペーンやIAPの変更が収益に与える影響を特定することができます。

広告収益を1日のアクティブユーザー数で割ることで、ARPDAUを計算することができます。

1,000インプレッションあたりの収益額(ECPM)

広告表示回数1,000回あたりの収益額(eCPM)はアプリの収益化において最も重要な指標の1つです。eCPMはCPMと互換性がありませんが、よく混同されます。eCPMは1,000回の広告インプレッションに対する平均広告収益額であるのに対し、CPM(1,000人当たりの広告費)は1,000回の広告インプレッションを配信するのにかかる広告主の費用を測定します。この計算に従ってeCPMを計算することができます。

パブリッシャーはeCPMを使用して広告配置を最適化し、収益化キャンペーンを監視し、広告収益化を総合的に評価します。アプリデベロッパーのeCPMが高い場合、アプリに配信された広告はその役割を果たし、ユーザーをコンバージョンさせています。広告からコンバージョンするユーザーが多ければ多いほど、デベロッパーに支払われる報酬は増加します。

アプリ内広告戦略を開始するための最終準備チェックリスト

素晴らしいアプリを構築したので、アプリ内収益化に取り掛かりたいと考えています。今こそ、広告を検討するタイミングです。ここでは、一般的なデベロッパーがアプリ内広告に取り組むために推奨する今後のステップを紹介します。

広告技術の選択肢を詳しく確認する

広告配置の機会を分析する

広告配置を正しく行うことが重要です。ユーザー体験に影響を与えることなく、ゲームに広告を追加できる場所を時間をかけて考えましょう。さまざまな広告形式のアイデアをいくつか紹介します。

バナーの表示位置

ライフスタイルアプリやメッセージングアプリなどのカテゴリーのバナー広告は、通常アプリ画面の下半分か上半分に表示されます。誤ってバナー広告をタップすると、フラストレーションが溜まり、リテンションが低下する可能性があるため、ボタンのすぐ近くには配置しないでください。

リワード動画の表示位置

リワード動画広告は、複数の箇所で表示する必要があります。ホームページから始めるのがいいでしょう。また、ユーザーがある機能へのアクセス回数を使い切ったときのような「ペインポイント」でも効果的です。この場合、動画広告を視聴する見返りとして、ユーザーに再アクセスを提供する通知を出すことができます。

インタースティシャルの表示位置

インタースティシャルは画面全体に表示されるため、体験を妨げないようにします。たとえば、エンターテイメントアプリでは、動画や曲の再生中にインタースティシャルを表示する必要があります。また、アプリを開いた直後にインタースティシャルが表示されることをユーザーが好むかどうかも試してみる価値があります。

テスト、テスト、テスト

モバイルマーケティングにおける3つの黄金律は、すべてテストに該当します。

  • アプリの収益化がどのように行われているかのベースラインを確立する。

  • クリエイティブの配置やパートナーを試し、アプリ体験を微調整する。

  • さまざまなパートナーを試して、それぞれのパフォーマンスを比較する。

収益化を深く掘り下げるほど、テストはより精密なものになります。まずは、明らかなことに集中し、基本的なことをきちんとやりましょう。そうすれば、小さなことにも気をかけることができるようになります。

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