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愛すべき物語に出会った日の帰り道 まとわりつく熱風(なんでもない日に短歌でタイトルをつける日記7/1~7)
好きな歌集から短歌を一首紹介しつつ、毎日の日記を書いています。
週のタイトルは自分で詠んだ短歌になります。
7月1日
限りなく音よ狂えと朝風の光の音叉投げる七月
早いもので2024年も今日から下半期。とりあえずの常套句を使ってみる。
さて、今まさに時間の経過を実感するものと言えば、ニコニコ動画(Re:仮)だ。ぼくがニコニコを見なくなってから早6年が経つ。学生時代をニコニコ動画視聴に捧げたぼくは最古参というわけではないが、ぎりぎり見ていた6年前ですら懐古厨だった。が、その後まったく見なくなり、終身名誉懐古厨となった今のぼくにとって、今回の情報漏洩騒動は天啓と言える。ニコニコ動画の運営や現役のユーザーにとっては紛うことなき災難であろうことを思うと、完全な老害だ。メディア上にのさばる数多の老害を嘲笑してきたぼくも齢36歳を前にして早くも老害になってしまうとは、なんということだろうか。
はじめてニコニコ動画を見たのは17年前だった。その頃から歴代の視聴してきた動画たち、組曲や流星群、ボカロオリジナルや歌ってみた、アニメのMAD、懐かしいゲーム実況者たちの声が光の速さでそれぞれの時代から今のぼくに向かって突き刺さり、脳内で踊り狂うようにこだましている。
ちなみに、今日7月1日のニコニコ動画(Re:仮)は2012年、ちょうど干支で一回り前の動画が流れている。当時のぼくは大学を留年して、ひたすら社会に出ることを恐れ、ゲーム実況を見ていた。何かの間違いで、24歳のぼくにメッセージを送れるとしたら、まじめに生きるのも案外悪くない、と伝えたい。
2日
猫は身のすべての重みをあずけてるマイナンバーを持たないわたしに
自宅近くの駅で電車から降りると、駅舎の外にネコが3匹いて、近くに座っても3匹とも逃げないんだけど、絶妙な距離を保ってぼくを警戒していて、それってやっぱりぼくがマイナンバーカード持ってるからかなぁ。
いよいよ始まりました。半年ぶりの生方美久ドラマ。『海のはじまり』。昨晩に続き、今日も日記を書きながら、第1話を再視聴。目黒蓮も有村架純も池松壮亮も古川琴音も名俳優ですが、彼ら彼女らを抑えて、そのドラマの主人公となるのが泉谷星奈さんという子役(笑)。すでにちゃん付けするのも気がひけるくらいの俳優。ものすごく賢そうなオーラがダダ漏れしています。
主演という意味では目黒蓮なのかもしれないけれど、物語は海ちゃんが主人公で、彼女が生きるよすがをかぎ分け、いかにしてサバイブしていくか、というようにしか思えない。もしかしたら、かつて助けたネコが人の形を為して目の前に現れたのかも……。
冗談はほどほどにして、壮大なテーマを背負っているから、そうやって茶化すくらいしてないと、この物語の感想はたぶん文章にできない。
あと、説明が少ないけれど、目黒蓮演じる夏の家族構成がかなり絶妙な設定になっている。2人は再婚夫婦の連れ子兄弟で、それに気づいてから、序盤の父親から黒いネクタイを受け取るシーンを見ると、ぞわっとする。葬式だと察した理由としての親の勘は、父親になろうとする努力なのだと分かる。おそらく、その努力は主人公の夏にも受け継がれることだろう。
とりあえず、この先の3ヶ月間は生方美久ドラマを摂取できる月曜日の幸せが約束されました。ほんとうにありがとうございます。
3日
あの時の愛と勇気と感動が今は呪ひとなりにけるかも
ついに『響け!ユーフォニアム3』が完結。よかった。
最後のオーディションで久美子が黒江真由に負けたアニメ改変はかなり批判の的になっているようだけど、個人的にはこの改変は然るべき改変だった。エンタメとしては主人公がもう一回復活してちゃんちゃんでもいいんだけど、物語としてはアニメ版の展開の方が美しい。
おそらく、その悩みは原作を書く時点でもあって迷ったうえで、前者を選択したのではないかと思う。
アニメ改変についてこれ以上語る気はあまりないが、個人的に気になるのは、最後の久美子が教師になっているシーン。
20代の女性が、果たして滝昇同様に学校に閉じこもって、平日の仕事終わりも休日も部活漬けでいいのか、ということ。
いや、20代男性でも30代男性でももちろん問題で、危うくジェンダー論やエイジズムの沼に足をつっこみそうになったが、滝先生の場合は配偶者を早くに喪っていて、久美子の高校3年間は滝先生にとっての回復の物語でもある。働き方にいかに問題があろうとも、必要だった時間と言える。
が、先生になった久美子は同じように部活の指導にあたるべきではない。もしそのように久美子先生が働いているとしたら、それは滝先生の教育の失敗である。せめて、休日の練習は滝先生の日と久美子の日で分業制であることを祈りたい。
最終話は部員全員の名前が分かるのもおもしろい。オーソドックスな名前から「素手辺きつね」まで、なかなか豊かな名前のバリエーションになっている。にしても、きつねって(笑)。
4日
おおまかに西瓜の種を取りながらいつかの潮干狩りの話を
日中は眠過ぎてフラフラしていたら、社員の方にきつい時は休憩入れて、散歩してきてもいいから、居眠りはするな、という至極当然の指摘を受けた。木曜日はだいたい同じ内容の日記になっているが、やはりきつい。
帰宅後に、今年最初のスイカを食べた。
5日
この星の7割がたは水らしい征服するならバタ足からよ
今週もよくぞよくぞ、よくぞ、金曜日まで辿り着きました。
生方美久作品がはじまると同時に増えるたのしみが、Podcastチャンネル『無限まやかし』。ひたすら、ドラマについて語っていて、そんな見方もあるのかと唸って、ドラマを再視聴、再々視聴と時間がいくらあっても足りなくなる。
画面上の青の多さとか、水にちなんだ名前の多さとか、もちろんもっと細かい演出や台詞まわしの話まで、1話だけでいったい何回リピートさせれば気が済むんだ。甚だ遺憾である。
そういえば、数週間前の日記で書いた職場近くの閉店した食堂についてだが、何事もなく改装してリニューアルオープンしていた。来週からまたお世話になろうと思う。
6日
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
この日記をはじめたタイミングで、初日に選んだ短歌より先にこの日に選ぶことが決まっていた一首。去年の8月末からだから、そもそもここまで続くとも思ってなかったけれど、たまに休みつつではあるがよく続いていると、我ながら感心する。
夜中に、ユーロ2024のスペイン対ドイツ、フランス対ポルトガルを見ていたので、日中はひたすら寝ていた。
スペイン対ドイツで残念だったのは、ペドリを負傷退場に追いやったクロースのファウル。あのプレーは、躊躇なくイエローカードを出すべきだったし、カードの色が赤でも疑問のないシーンだった。
もちろん、レッドカードなら、レフェリーはクロースのラストゲームをあっさり終わらせた人間として過剰な批判を浴びるだろうし、試合もフットボールファンが見たかった好ゲームにはならなかっただろう。
が、その好ゲームと引き換えに、1人の若者が大きなケガを負ってしまったことの方が大きな問題のはずだ。
いわゆる10番タイプや創造性の欠如が往年のレジェンドによって指摘されることがよくあるが、その原因の一端は過剰なインテンシティとエンタメ性を求めるファンにもあると思う。
もはや、現行のルールとSNSが存在する世界ではレフェリーは正当なジャッジを下せない。
1人のマドリディスタとして、ペドリの復活を切に願っている。
7日
魚にはまぶたがないのでたいせつなことを見逃すこともできない
終わったことだし、そもそも都民でもないし、東京都知事選のことをとやかく言いたくもないけれど、自己責任の都トーキョーには、さすがにもう住みたいと思うことはなさそうだ。かつては何度も上京を考えたものだが。
今日は髪を切って、映画館にて『ルックバック』を鑑賞した。
『ルックバック』よかった。最高だった。
映画、特にアニメはこの作品をきっかけに60分の作品が増えそうだ。
そして、声優としても河合優実さんは素敵だった。
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