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Bロールは、まずは左脳で考えよ!

導入事例動画の肝はお客様のコメントです。

でも、インタビューコメントだけでなく、映像のチカラを駆使してもっとお客様候補にアピールしたい。


そこで重要になるのがいわゆるBロール


でも、このBロールも誤解でいっぱいです。

Bロールとは「イメージカット」と呼ばれ、事例動画ではインタビューカット以外の、取材先企業の描写やテーマとなる製品・サービスなどを表現するカットのことを指します。
インタビューに差し込まれることが多いので、「インサート(カット)」と呼ばれることもあります。


「行間を豊かにする材料」であり、「導入先のお客様を描く」ことで事例動画を「具体的な、そのお客様のケース」にする大切な要素です。
その重要度は、いまや多くのクライアント担当者とも共通認識になっています。

ただ、Bロール撮影についてお客様の承諾を得るには、お客様側の手間や時間だけでなく、セキュリティの問題や社員の同意などそれなりに乗り越えるべき障壁があります。

その乗り越え方は別稿(『事例動画、迷惑なんです!』)を参照いただくとして…


もう一つ厄介な障壁があるかもしれません。

それは、右脳、つまり視覚的・非言語的な発想でしか考えない映像制作会社のスタッフです。

先行するアメリカ発の事例動画をお手本に、日本でもBロールをテンポよく畳み込む事例動画が増えてきました。
タイムラプスやGoProのカットで変化をつけるなど、ちょっとした工夫で映像をカッコよく仕上げるのも悪いことではありません(ウチもやります)。

カメラ機材を狙いに応じて複数候補から選定したり映像をカラーグレーディング(演出のための色補正)するのも世界観をしっかり作るためにはいい傾向だと思います。
でも、制作会社のプロデューサーやディレクターのそれらの工夫が「感覚だけ」で発想していると気づいたら、クライアント側の担当者としては、ちょっと立ち止まって考えて貰うべきです。

そうしないと、その事例動画は薄っぺらなものになりかねません。
どこかの会社の動画と区別のつかない、ただ表面的にカッコいいだけの動画になってしまう危険性があります。


事例動画の目的は、自社製品・サービスの導入を検討するお客様候補に「他社の共感できる成功ストーリー」を提供することです。

制作会社のスタッフにはそのことを念頭に置いて貰い、まず左脳(論理的・言語的)アプローチで取材させていただくお客様企業を探るよう求めることです。
そして、お客様自身をプロモーションする姿勢で撮影項目を吟味しその上で映像表現へと昇華させる…ここは右脳の出番です。


ちょっと振り返ってみてください。

あなたの記憶に残っている事例動画は「意味のあるBロール」が生きていませんでしたか。
「なんだか賑やかだったけれどちっとも意味が残らない」ということは少なくともなかったはずです。

「カッコいい編集テンポ」と「ただ忙しいだけの編集」の差は、センスの問題はもちろんありますが、決してそれだけではありません。
「一味違う表現」が「映像効果の悪目立ち」にならないのも同様です。

それはBロールカットや構成シーンに「狙った意味」があり、編集技法も含めBロールインサートが事例動画全体の意味を成す要素になっているからです。
それはテーマ製品・サービスが活用されている場面も然り、それらによって達成された導入企業の成功ストーリーも然り。

まずカメラを回す以前に、左脳アプローチできちんと捉えられれば、そして、映像として表現するシーン設計ができればそれだけで“ゴール”に大きく近づいたと私は思います。


それを撮影や、編集なども含めた映像制作のチカラを総動員することでその導入企業ならではのストーリーとして描き出す。


映像だからこそ、まずは左脳で考えよ!

共感を生む事例動画は、右脳発想だけでは生まれないのです。


(記事:ホンマヨシカズ /producer)


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