レシピ公開〜珈琲ゼリー編〜
気温が高くなるにつれ、目に見えて注文が増えるメニューがある。その一つが珈琲ゼリーだ。
モフリー開業を目指して潜入した飲食チェーン店でもこのメニューは存在したのだけど、やはり夏と冬の仕込み量には天地の差があった。
冬場は一人前の容器にいくつか作る程度、夏は毎日寸胴の鍋で作り、ディッシャーを使ってアホみたいに出していた。
ちなみにその店でのメニュー名は『珈琲ジェリー』といった。
ゼリーではなく、ジェリー。
注文が入る度、バーボンのボトルを抱いて窓に立ちそうになるのを堪えながら、せっせと提供していたものだ。
そしてこのメニューもラインナップに加えようと決めたとき、哀しい男が吠え、やさしい女が眠るここ東京に店を出すからには…と、その名前も拝借しようかと頭をよぎったのは否めない。
余談ながら今これを書いていて知ったけど、TOKIOは糸井重里が作詞してたのね…
ジュリー…もとい、ゼリーの話に戻ろう。
こいつの作り方は非常に簡単で、それまでスイーツというものを作ったことがなかった自分にとって、その単純すぎる上に安価に出来るというレシピを知った時はとても衝撃だった。
特筆すべきは、手を掛ける時間が極端に少なく放置プレイが大半を占める、という点。ワンオペでお店を運営するにあたり、仕込みは同時進行・マルチタスクで行わなければとてもじゃないけど回らないだろうと考えていた僕にとって、このレシピは大きな魅力だった。
カフェモフリーのレシピ群は何度も言うけど、
①なるべく少ない材料で構成されていて、他のメニューにも使い回せること
②時短で作れる、あるいは付きっきりにならず他の作業ができる等、手間を掛けずに作れること
③盛り付けた際に見栄えがいいこと
という3つの条件が必要だ。これらを満たさないと、モフリーのメニューには載ることが出来ないのだ。
語弊があるのを承知で書くけど、この後に味と価格が続く。
そんなメニュー作りの思想をズバリ体現している珈琲ジュ…ゼリー、レシピはこちらです。
先程挙げた3つの条件が絶対、とは言え、やはり味も重視したいところ。
珈琲豆にもある程度のこだわりを持って揃えているつもりなので、やはりこれを使わない手はないだろう・・・ということで、飲食店にて覚えた珈琲ゼリーをもう一段高みに上げられないかと試行錯誤して出来たのがこちらのレシピです。
普段提供しているアイス珈琲は熱い珈琲を氷に直接かけて作る急冷式で、程よい苦みとキリッとしたのど越しを重視しておりますが、ゼリーで使用するアイス珈琲はコールドブリュー(水出し)で作ります。これにより苦みが抑えられてまろやかになり、珈琲が苦手な方でも美味しく食べられるものに仕上がります。
美味しい珈琲を淹れる最大のポイントはとにかくいい珈琲豆を使うこと。こう言ってしまうと身も蓋もないですが、美味しい珈琲は豆が8割、淹れ方2割です。
個人的な感想ですが、ペーパーだネルだサイフォンだ、〇分以内に□□℃のお湯を△△ccを××回に分けて注ぐんだ云々と騒いだところで、そもそもの豆が良くないと屁の突っ張りにもならんですよ。
ついでに言ってしまうと、卸売り価格で一杯あたり30円を超えてくれば大抵美味しいです。その先はもうそれぞれ好みの問題かな、と思ってます(※)
自分の舌に絶対の自信がある!とはまるで言えないですが、個人・法人併せて数十社の珈琲豆屋さんで飲んだ率直な感想です。
つまり美味しい珈琲ゼリーを作るにあたり最も大事なポイントは、とにかく美味しいアイス珈琲を使うことです。
それ以外でもうちょっとだけ美味しくさせる裏技的なポイント、その工程が「蒸らし」です。
個人的に水出しアイス珈琲の一番いいところは、豆を挽いて水に漬ける、それだけで美味しいアイス珈琲ができてしまう「手軽さ」だと思っております。
その「手軽さ」にもうひと手間、水を入れてしまうその前に、お湯で蒸らしてあげると香りがグッと立ち、より一層深みが広がります。
ちなみにcafe Mo.free BASE店にて、簡単に美味しいアイス珈琲ができてしまう「コールドブリュー(水出しコーヒー)パック」が販売しております。4~5杯分作れるパックが2コ入ってなんと800円というお値打ち価格。この機会に一つ何卒よしなに(宣伝
https://mofree.thebase.in/items/46368182
また、今回紹介した珈琲ゼリーのレシピですが、様々な材料で応用が可能です。アイスティーやオレンジジュースで作っても美味しいので、お店でも気まぐれでお出ししております。
ちなみにキウイやパイナップル等、ゼラチン(たんぱく質)を分解する酵素が入っている果物は固まらないのでご注意ください。
どうしても作りたかったら、使いたい材料に熱を加えて酵素を分解させればOKです。缶詰の果物は加熱処理しているので、これらを使うのが手っ取り早いかな、と思います。
ゼリーはとにかく手軽に美味しく作れるスイーツなので、ぜひともトライしてみてください。寝たふりしてる間に出て行ったあの子も戻ってくるかもしれません。
アア アアア アアア アア
アア アアア アアア アア~~
※補足:取引量によって仕入れ価格は当然違うので、ここでは「僕の店のような超零細が仕入れるくらいの取引価格で」という意味です。そして一杯あたり30円を下回っても、美味しい珈琲はたくさんあります。あくまでここのラインから『美味しさが信用できるな』という目安です。
また、珈琲豆の価格に関して、「美味しいから高い」訳ではありません。希少性で値付けられることも多いので、そこまで美味しくなくてもめちゃくちゃ高いな・・・というのもザラにある世界です。
その豆に合った焙煎具合、そして圧倒的に鮮度がいいものをおススメします。
ちなみに店主が個人的に好きな珈琲は、エチオピアのイルガチェフェとブラジルのアマレロブルボンです。どちらも高いからお店では取り扱っておりませんがね・・・。
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