見出し画像

日記 3/13~3/19

月曜日
鼻水が酷い。
最近Oasisを聴くようになったのだけど、なぜか『リヴ・フォーエヴァー』とか前にも聴いたことある気がする。ひょっとしたら父の車とかで小さな頃に聴いていたのかもしれない。音楽の趣味が無意識のうちに父親の軌道を辿っているようでなんとなく恐ろしい。くるりとかも。

火曜日
エビアレルギーらしいがあまり重篤な症状が出たことがなかったので油断した。おいしい海鮮丼だった。しっかり気持ち悪い。甲殻類が食べられないとなると今話題の昆虫食もダメなのだろうか。ばあちゃんが「イナゴで試してみるか」と言うけど遠慮した。
散歩。なぜかこの時間に近所を出歩くと犬につぎつぎ遭遇できる、みたいな時間がある。季節によっても違う。7割くらい柴犬で、3割くらいプードルな気がする。田舎あるあるかもしれないけど、iPhoneを使用する高校生くらいの割合で茶色の柴犬が飼われているような気がする。でもみんな一匹一匹違う柴犬(そりゃそう)。雨が増えてきた春の畑の土の色と柴犬がマッチしていていいな、と思う。なぜかよくプードルに追いかけられる。

水曜日
やはりスーツは合わない。なんらかの天変地異が起きて平安時代に戻れないだろうか。束帯を着たらめっちゃモテそうな気がする。
スギ花粉を胸いっぱいに吸い込んでいる想像をしながら散歩した。私はスギもひどいけど、ブタクサがよりやばい。ブタクサで箱ティッシュを次々消費する私を見て「おまえのせいでパルプが大量に消費されて森林が伐採され、砂漠化と地球温暖化が促進されて終末時計がまた1分進んだ」とか言ったお友達は重篤なスギ花粉症で、この時期は「もう無理」「さっきから鼻をかむという動作しかできない」「眼球抉り出したい」「鼻むしりたい」といった情緒不安定みたいなLINEが送られてくる。

木曜日
耕運のためのトラクターを見ると、不思議なよろこびが込み上げてくる。はじまりの季節、という言葉が浮かぶ。農家の人はますます忙しくなるんだろうけど。トラクターを後ろから煽るのはやめてあげてほしい。たぶん煽られてもスピード出せない。
履修登録とか怖すぎる。履修登録の失敗で留年はちょっと笑えない。
パソコンを買う。よくわからないままに大学の推奨するスペックを店員さんに告げたところ「工学部ですか」と聞かれる。残念ながら文学部である。工学部やデザイン系の学部でもない限りこのスペックは不要と言われたので安いのを買う。総合大学だからかもしれない。

金曜日
パソコンの設定に苦しむ。いきなりインターネット接続が切れたりする。スマホでググりながらパソコンをいじる。訳の分からないカタカナとアルファベットの羅列で説明されると頭が痛くなる。おまえとうまくやっていけるだろうか、とパソコンの横にひっくり返って考える。高校に入学したとき、コロナでしばらく休校でオンライン授業、郵送での定期考査、となってめちゃくちゃ不安だったのを思い出す。あのときは連絡を取る友達もろくにいなかったけど、たぶん今回は大丈夫。たぶん。たぶん...。
「モテモテ左大臣」という謎ワードが降ってくる。謎に気に入る。筆名これにしようかと真剣に考える。嚙みしめれば嚙みしめるほど奥深くすばらしい言葉であるように思える気がする。何とか詩に組み込めないだろうか。タイトルにしてもいいかもしれない。定期的に訳の分からない言葉を作り出しては一人悦に浸ってしまう。馬鹿馬鹿しくなって寝る。

土曜日
お友達と遊ぶ。
高校一年生の冬か二年生の春あたりに詩を書き始めたけど、「今しか書けない詩」という評をものすごく素直な気持ちで受け止めている。あのときはいつも謎の切迫感に駆られながらバスに乗って登校していて、あの詩はあのときしか出てこなかっただろう、と思う。同時にちょうど今日のような日しか出てこないのもある。八十歳になってもチマチマ詩を書いていたら、その詩は八十歳のその時点での私しか書けないものではないのだろうか。切実さって別にエベレスト登頂を目指すとか社長の椅子を目指すみたいなストイックさとは少し違うんじゃないかなと取り留めもなく考える。いまものすごく思考がやわらかくなっている。これからどんな詩が書けるだろう。

日曜日
「時間に追われるな、時間を追え」という父の信念に基づいて、浅浦家の子供たちは年度始めに手帳を買うことが一種の風習になっている。とはいえそんなにきちんと予定を書いているわけでもない。予定を日付の横に書き込むと、いつ何があるのか明示されてしまってそれはそれで不安に駆られる。詳細に書くとやることが細分化されていくような、分裂したアメーバがさらに分裂して果てしなく増殖していくような気がして途方に暮れてしまう感じがある。ものすごーくざっくりしか書かない。結局時間に追われている。
wordめっちゃ画面表示とずれる。ごめんね、黙ってたけどわたしが好きなのは本当は一太郎なの!ちょっと高いから親にねだる予定(バイトしろ)。アカデミック版だとちょっと安いな。貯金で買うか...。
母校がちょっとだけテレビに出てた。増改築を繰り返して訳の分からない間取りの校舎と、先輩方の積み上げたゴミやガラクタの山、訛りの激しい先生方が既に懐かしい。よく相談に乗ってくれた先生も。愛憎入り交じっちゃうから、母校の話はもうおしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?