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21

3月ももう13回目の昼を迎え、時の流れの速さについていけず

このまま置いてけぼりにされちゃうんじゃないかって最近思う。


そして私の人生で、これで21回目の春が訪れようとしてるけど

正直私は春が嫌いである。






そりゃ夏は暑くて虫も多くて一番厄介。

でも100%夏を嫌いになれない。

倒れてしまいそうな暑さとか耳が痛くなるような蝉の鳴き声に

毎年うんざりするけれど、夏の夜ほど幻想的なものはないと最近思う。

冬のように寒いから人肌恋しくなるわけでもないのに不意に誰かと寄り添いたくなる。0時じゃなくて2時でも許されるシンデレラのような。そんな夢の時間がたくさん詰まってる。昼と夜のギャップがたまらなく私を虜にする。それが夏の夜のマジック。





秋はさ、最初から 

"これから切なくなるよ"って夏の終わりから教えてくれるし

冬だって

"これから寒いから人のぬくもりを感じたくなるよ"って

前もって知らせてくれる。





そして雪が解けて寒い寒い冬が終わり、春がやってくる。


「もう春の匂いだね」って。

この”春の匂い”が嫌いなのである。


春が来て嬉しくなるはずなのに

この匂いがするとどこか切なく、寂しくなる。

夏の夜マジックもなければ

秋や冬のように予め寂しさを知らせてくれることもない。

来年こそ好きな春よ来いと願う。




今年もまた嫌いな春がやってきた。

21回目の春である。


時代は日々変化するけど私の春への想いは変わらず、

春のマジックは未だに見つからない。


#春 #匂い #21 #四季 #マジック #エッセイ




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