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機内鑑賞

 アメリカと日本の往復で合計約30時間ほど飛行機に乗っていて、8本の映画を見た。睡魔や目の疲れとの闘いがあったため、最初から最後まで全集中できていたわけではないが、鑑賞した作品の感想をつづっておこうと思う。
帰国後に鑑賞したBarbieについても例外的にここで感想を記しておく。


スーパーマリオブラザーズ

 まず一番に鑑賞したのがこの作品。日本では話題になっていて映画館に見に行こうか迷っていた作品だ。結局行くことはなかったが、気になっていたため発見すると同時に離陸前から再生開始。
 ポケモンやマリオはちょうど私の世代と言える作品で、みなが任天堂のゲームを通じて親しんできたものだ。私自身もゲームをよくする人ではなかったが、それなりにマリオのゲームの数々に楽しませてもらったうちの一人だ。ノスタルジーが人気の要因と踏んで鑑賞した。
 ゲームの各要素をこのように映画に取り込むのか、と実際に面白かった。ニュースーパーマリオブラザーズを回帰させるシーンやマリオカートを回帰させるシーン。たしかにおもちゃ箱みたいに、子どものころの思い出が詰まっているようだった。
 同時にマリオとルイ―ジ、ピーチはこういう設定だったのかと当時ゲームに夢中になっていたころは気になりもしなかった事実を知ることができた。  
 内容が特にあるわけでもない子供向けのこの手の作品はいくつになってもなんだかんだ見てしまう。鑑賞後の満足度が高いわけではないのだが。

わたしの幸せな結婚

 転生モノの一時期ハマっていたころに読んでいた漫画だ。厳密にいうとこれは転生モノではないが、ストーリー展開としてはよく似ていると思う。転生の良さは、主人公に幸せとうまくいくことが確約されていること。前世でつらかった分、2度目の人生は幸福に見舞われる。わたしの幸せな結婚もこのストーリーラインによく似ている気がした。転生後ではなく、結婚を機に
人生が変わるわけだから転生モノと言わなくてもよく似たストーリー
展開はありそうだが、ここで言いたいのはとにかく漫画にはまっていたということ。
 異能というかなりファンタジックな要素を持つ物語で、それが最大限に生かされていないようにも感じられた。都合の良い部分で異能を持ち出して、物語に箔をつけようとしている感じで、異能を持つ人々の生活はこのような感じになるのだろうか。
 中途半端、というか無理やり物語が終わった感じがあるのは実写化映画の宿命と呼ぶべきか。

そして、バトンは渡された

 小説を以前を読んだのだが、最低限の設定しか覚えておらずよくも悪くもクライマックスを忘れていたので飛行機で泣いてしまった。
 とりあえずこの作品を見て思ったのは、誰かを好きになるということはとても幸せなことだということ。自分が好かれているわけでもないのに、誰かを好きになるだけで心は満たされ温かくなるのだな、と。好きな人のためを思って何かをできるって本当に素敵なことだなって。
幸せというのは当然人によって形が違うわけで、故に人生で誰しも自分にとっての幸せって何だろうと考えたことがあるのではないかと思う。私にとっての幸せは誰かを好きになることで、その誰かと幸せに暮らせたならばそれが至高の幸福なのかもしれない。とはいえ、私は他人や周囲への興味が極端に低い。でもきっと手に入るよね。
  『怪物』という映画では「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない、誰にでも手に入れられるものを幸せというの」というセリフがあった。これの意味について自分ではよくわかっていなくて、みんな幸せが手に入るのに手に入らない遠いものだと思ってしまっている、誰だって幸せになれるという意味なのかなと安直な結論くらいしか出ない。
 私は人と仲良くなるのが苦手というか誰にでも距離を感じてしまうし、仲良くなりすぎるとかえってしんどいと感じてしまうことがある。つくづくわがままでめんどくさい性格をしているわけだが、それでもやっぱり人とのつながりは大切にしたいし、人とつながっていたいと思う。まだまだ人との関係構築に関して未熟なことばかりだが、少しずつ考えを深めていけたらなと思っている。

The Man From Toronto

 コメディとアクションがさく裂する楽しい映画だった。伝説の殺し屋に間違えられるというなんとも設定から突っ込みたくなってしまう作品で、機内で笑いをこらえることができずついつい笑いをこぼしてしまっていた。そしてバトンは渡されたで涙を流し鼻をすすっていた直後であったから、となりの乗客からすればなんと情緒不安定な人だと思われたに違いない。
 作品の感想といえるほど書くことがないのだが、The Man from Tokyo役で山Pが登場したことにも吹いてしまった。続編があれば全然見たい。

The Fault in Our Stars (きっと星のせいじゃない)

 ここからは帰りの飛行機。本作は小説を読んだことがあったし、もしかしたら映画自体も見ていないのかもしれない。病気を持つ二人の恋という設定で再生開始から数分で胸が痛くなり涙を流してしまうという。多分疲れていたのだと思う。
 そうはいっても共感することがあまりできなかった。なんだろうね、海外の作品だからかな。恋愛ものは日本製の作品の方が感情移入できるし、好きかもしれない。日本の作品の心の機微のようなものを繊細の描写している作品が多くて、その心の葛藤や動きに私は共感を覚えるのだと思う。海外の作品って惹かれ合っていく描写は当然あるのだけど、その好意というものが直観的なものに感じられてしまって、入り込むことができない。海外の作品でくくってしまうのは名作と言われる『About Time』という作品も物語に入り込めずに楽しむことができなかったから。いうて2作品なんだけどね。
 あとは日本語吹き替えか英語(字幕なし)の二択を迫られて、英語を選んだのも入り込めなった一因かも。最低限の聞き取りはできるけど、聞き逃すことも多々あって字幕が日本語でも英語でもあればシーンまるごと理解できないを回避することはできたんだけど。それでも吹き替えは意地でも見たくないのよね。

Little Miss Sunshine

 好きな映画ランキングに入るかもしれないというくらい心温まる好きな作品だった。家族って、愛情っていいなって。最初は仲が良いのか悪いのかわからないってくらい、口論多めだったけど、それぞれ思想が強い部分があるだけで自分なりに家族を想っていることが伝わってきた。特に末っ子の女の子への親、そして兄から注がれる愛情がすごく素敵だった。

Barbie

 実は時差ぼけのせいか、映画館で眠くなってしまって終盤はほとんど意識がなかった。しかし度々登場するSterotypical Barbieという言葉は印象に残っている。スタイル抜群で美人。まさに理想の女性像というべき存在で、そんなBarbieはバージョン展開が豊富。リアルワールドでは男性がやるような職もすべて女性がやっているのがバービーの世界。そんな世界(バービー)を築き上げたのマテル社の社長をはじめ、役員らは男性しかいないというのがなんとも皮肉めいているようだった。
 アメリカでは映画館のコロナやサブスクの打撃から挽回させたと言われるくらい人気作らしい。そういう意味では見る価値はあったのかな。しかし私はバービーでもりかちゃん人形でもなく。シルバニアの家にポケモンんもフィギュアを使って遊んでいた人間なので、なつかしさは感じられなった。


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