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子供の貧困と、親の支援の関係

先日参加したインクルーシブ勉強会のテーマは子供の貧困。支援者や子供時代に貧困を経験した方のお話をお聞きすることができました。私自身も、ひとり親や若者の就労支援という仕事の場面で、貧困と向き合ったことがありましたが、新たに気づきを感じることがありました。

子供が貧困から抜け出す手段として、情報と教育の機会があります。これまでは、自分の家庭以外のことを知る機会がなく、外部との接点が少なかったけれども、インターネットによって子供達にも情報が入ってきたことは、自分の家庭と他との違いを知ることにもなり、子供が自分で考え始めるきっかけにもなるモノだと気づかされました。

また、教育については家族のケアで勉強の時間がとれない、勉強する習慣がないなどで学習が遅れ、諦めてしまうというサイクルがあります。近年広がっている、生活困難者の子供向けの無料の塾等へつないでくれる大人の存在はとても大切です。けれども、せっかくつないでも、親の状態が不安定のままだと、子供は参加しにくくなるという状況があります。

発展途上国の話ではなく、日本においても、「勉強なんて必要ない。早く働きなさい。」等と言われて教育の機会を得ないまま、育つということもあるのです。親自身がまたそういわれて育っていると教育をうけるメリットを理解していない場合もあります。また、教育のメリットを理解しているが、自分はそうだったのに子供にだけ機会があることに心のブレーキがかかって、賛成できないということもあります。子供の貧困問題の解決には、子供だけでなく、親を受容し、親自身の尊厳を取り戻す必要があるのです。


社会問題に遭遇した時、想いテーマであればあるほど、誰かの責任を追及したくなりがちです。法律や支援の仕組み自体も時代に合わせて変えていく必要もあるでしょう。けれども、問題の背景にあるのは、個人個人の事情であり、連鎖の積み重ねです。

気づいた人の言葉かけやちょっとした行動が連鎖をなくすことにつながり、蓄積が大きなパワーになるのではないでしょうか。

また、相手への尊厳や信頼を失ってしまうと、どこかで支援をしてあげているのだという態度が伝わり、相手との関係が崩れてしまうリスクがあります。だからこそ、このような勉強会での知見や人脈が大事なのだと実感しています。