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ワープではなく、蓄積で近づくキャリア

数年前、キャリア相談の場で、理想の姿にたどり着ける魔法の方法のようなものを教えてほしい、と言われたことがありました。

一昔前は、勢いがある企業へ転職することがキャリアの成功とされていたものです。どのような選択をすれば勝ち組になれるかが大切だと言われており、その選択についてのご相談が少なくなかったのです。

けれども、社会情勢の変化が大きい現代においては、幸せの在り方も多様化し、人によって目指す姿も多様です。何が勝ちなのかは、人によるのではないでしょうか。

また、私自身も過去に経験があるのですが、気持ちが弱っている時や、混乱している時、迷いがぐるぐると回ってどこにもたどり着けない時ほど、そのような感覚に陥ってしまうものです。

誰かが自分を引っ張り上げて、理想の場に連れて行ってほしいというような感覚です。

けれども、その答えも存在していないことが多いものです。そもそも、理想の姿がまだはっきりしていなかったり、どの選択肢もリスクばかりが目についてしまったりするからです。

そんな時こそ、行動の積み重ねが悩みの軽減につながります。信頼できる他者に話してみることで、考えを言語化すること。その時の気づきをさらに深堀りしていくこと。社会情勢や周囲の期待について情報収集を行い、関心がある領域についてさらに深堀りしていくこと。
その繰り返しで、次の段階にやるべきことが見えてくるものです。

私自身もキャリアコンサルティングやコーチングを定期的に受けていますが、最初はしっくりこないものです。“方法”は教えてもらえないからです。市場ニーズや自分が持つリソースから、複数の選択肢を考える時間だったり、次の小さなゴールへの到達について話す時間だったりします。

終了後、その時のことを振り返り、整理していくと気づきがあります。そうして、小さな一歩を踏み出し、行動の積み重ねていくことになり、それが次のキャリアにつながっているのです。

そもそも、ワークはできないことを知っていたことにも、途中で気づきますね。まとまったお休みが取れる時は、普段と違う環境に身を置きて、自分で自分に問いかける自己対話もおススメです。