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派遣社員の2018年問題と、キャリア自律

派遣社員を受け入れる企業や、働く人たちにとって2018年は大きな転機となりました。法律の改正等で、労働者が有期契約から無期契約への転換の機会を得ることとなり、また、26業務と言われる職種も3年満了が適用されることとなり、契約を見直す時期となったからです。当時、キャリア相談で多くの派遣社員の方に接していた経験から、エッセンスをお伝えします。

職種の市場価値が大きく変化

事務用機器操作、取引文書作成など、26業務は、かつては市場価値が高かった業務です。1990年代まではPCが部署に1台等の状態で浸透しておらず、PCスキルがある方や文書作成ができる方に一定の価値があったからです。けれども、時代の流れに伴って価値が下がっていったものもあります。けれども、それに気づく機会がなかったというケースもあったのではないでしょうか。契約内容に沿って業務を遂行することが役割だったからです。

就職活動の機会が少ないことの影響

無期雇用への転換や、正社員への転職活動等に臨む方も多くいらっしゃいました。その一方で、派遣会社からのサポートがなくなることへの不安から現状維持を希望する方がいらっしゃったのです。3か月ごとの契約確認、次の仕事紹介、福利厚生の提供と10年、20年と続けてきた場合は戸惑いが大きかったことでしょう。

現実の就職活動では、活動を始めてから決定するまでに数か月かかることもあります。けれども、3か月単位の契約更新に慣れていると、少しでもブランクが空くことへの不安が高まり、更新を続けていたという方がいらっしゃったのも事実です。

就業形態に関わらず求められる役割

変化が大きい現代においては、主体的に考えて行動するキャリア自律した人材が求められています。正社員だったとしても、ビジネスモデルの変革で未経験の職種への転換や部署異動等の可能性もあり、常にスキルアップや環境への対応が求められます。

自分で決断して次を決める、今の環境に対応する、という「主体性」「納得感」があるかどうかの違いが大きいと実感します。パフォーマンスが出しやすくなり、その結果、次の仕事への道にもつながりやすくなるからです。周囲の信頼できる方や専門家に相談して、モヤモヤを定期的に整理しておくとよいですね。

企業側も働く側も歩み寄って、新しい環境を創っていきたいですね。


参考:はたらこねっと「派遣法の歴史」

   人材紹介マガジン「派遣法の3年ルールはなぜ必要」