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管理職になりたい人と、辞退する人

人材サービス業の調査によると、役職についていない20代~50代の83%は管理職になりたくないと回答したそうです。理由として「責任の重い仕事をしたくない」(51%)、「自分のやりたい仕事ができなくなる」(17%)が挙げられています。管理職の仕事は今の自分には責任が重すぎる等、魅力を感じにくいのかもしれませんね。

日経ニュースより:役職者「なりたくない」8割


一方で、フリーランスから正社員復帰を目指す方や、離職ブランクから再就職を希望する方、転職希望の方からは、管理職にも挑戦したいという声を聴くことがよくあります。その背景として、以前は興味がなかったが今後は、「メンバーを育成していきたい」「ある程度任せてもらう立場になりたい」というものがあります。

独立したり、別の企業での経験を積んだり、地域活動などを経験して、別の角度から管理職の仕事を見ることで、責任を担う仕事の魅力に気づくこともあるのではないでしょうか。


けれども、未経験から管理職を目指す際には課題もあります。メンバーの育成スキルは、現場リーダー経験や地域活動等で習得できたとしても、事業の戦略立案や課題解決力、ネゴシエーション等のスキルを磨く機会が不足している可能性があるためです。スキルの中でも、コンセプチュアルスキル不足が想定されるということです。

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コンセプチュアルスキルを磨くためには、一定期間、事業の中でリーダー的な立場で関わることや、責任が重い業務を担うこと等で磨くことができるでしょう。

私自身も、団体の理事を担当した際に、企業の管理職や役員出身の他の理事達に比べて、コンセプチュアルスキル不足を痛感したことがあります。現場リーダーや、プロジェクトのコーディネーターとして、メンバーの管理や育成経験は豊富にありましたが、事業戦略立案やアライアンス等の経験が不足していたのです。そのことに気づく機会を得た、貴重な経験でした。

また、企業の社外委員や行政のプロジェクト委員では、業務執行ではなく助言や監督をする立場での関りによって、視座を高めることができました。


転職、フリーランスから正社員への転向、離職期間から再就職を目指す方の中で、管理職を希望する方は、自律した人材を増やしたい企業にとっては貴重な存在です。得意な領域を伸ばし、不足している領域を研修やメンタリング等で拡充していくことで、お互いに良い関係となりますね。

また、次の管理職を打診したいけれど本人が希望してないという場合は、他社の事例を学んでもらう等、実際の管理職の魅力を分解して具体的に理解してもらう等、違う角度から考えてもらう方がよいかもしれません。


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