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ミドルエイジの再就職に必要なスキル

本格的に再就職を目指す方の中には、パートや派遣社員などから正社員への転向を目指している方もいらっしゃいます。
これまでは家庭との両立や、家族の転勤のために非正規社員という就業形態を選んできたけれど、環境も整い、本格的に働き出したいという方のケースです。リモートワークの導入が進み、柔軟な働き方を選択できる職場が増えたことも再就職決断を後押ししています。

非正規社員歴から正社員への壁とは

けれども、書類選考や面接をなかなか突破できないという方のご相談もよくお受けします。また、同世代が管理職として活躍するミドル世代となると、年齢をどうみられるかも気になるところです。対処法について解説します。


求められる資質を知る

正社員に求められるのは、現在の所属部署での業務スキルだけではありません。組織の目指す方向を理解し、利益拡大や成長のためにどうすればよいかの視点を持ち、行動を起こすことも期待されます。つまり、コンセプチュアルスキルが求められているのです。

具体的には、早い時期に業務責任者として期待されるだけでなく、プロジェクトマネジメントやメンバーの指導も期待されるでしょう。また、社内横断的なプロジェクトの推進メンバーにアサインされることもあります。将来的には経営に近い立場で働く可能性もあるでしょう。

もし、「同じ部署の正社員と、スキル的には劣っていないから正社員になれるはず」と思っていたとしたら、もう少し情報収集をしておいたほうがよいでしょう。そのスキルは、入力業務等の業務処理を行うテクニカルスキルのことを指していませんか?。現場では、人との関わり方や業務の進め方などのヒューマンスキル、戦略立案力や問題解決力等のコンセプチュアルスキルも必要です。

近づくためのアクションを起こす



企業からの期待を理解した後は、アクションを変えていきましょう。

誰とでもスムーズなコミュニケーションを取る、期待以上の成果を出す、業務効率化や業務改善の提案を行い実行する、上のポジションに立ったと仮定して物事を判断する等です。

もし、「非正規社員だから、言われたこと以上のことは行わないようにしている」としたら、あなたのビジネススキルの高さやお人柄が伝わる機会がなく、契約が終わってしまいます。まずはアクションを起こし、成果を出した上で、契約条件の交渉を行ってはどうでしょうか。また、「他部署や取引先とのコミュニケーションは必要以上には取らないようにしている」としたら、正社員転向のキーマンとの接点を損失しているかもしれません。活躍ぶりが評判となり、他部署や取引先から仕事の話が舞い込むケースもあるからです。


書類突破の準備をする

非正規社員歴が長い方の、履歴書や職務経歴書の書き方には工夫が必要です。履歴書では、志望動機の書き方を工夫して、積極性をアピールしていきましょう。職務経歴書は、非正規社員の経歴の中でもステップアップしてきたことを記載したり、同じ職種ごとにまとめて記載するなどするとよいでしょう。

面接でも、パートや派遣社員だったという「就業形態」の説明ではなく、実際の「業務内容」を説明し、何ができる人材なのかを伝えていきましょう。

企業や人材エージェント、仕事を紹介してくれた知人などへ仕事応募の連絡の際には、連絡の際の文章量やビジネスマナーも意識しておきましょう。質問が多すぎたり、文章量が多すぎたりすると、コミュニケーションコストがかかる人材だと判断され、後回しにされるリスクがあります。

非正社員から正社員になるためには、正社員として求められる資質を理解し、近づくためのアクションを起こし、書類選考や面接突破の準備をする必要があることをお伝えしました。

中途採用の市場では、積極性と柔軟性が高い人材が評価されます。言い換えると、受身で自分なりの条件にこだわり過ぎるとチャンスが回ってこないということなのです。

本格的に働きたい方が、ビジネススキルをブラッシュアップし、少しずつありたい姿に近づいていくために、セミナーやキャリア相談を通してアドバイスをしています。