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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.78「キリンビール高知支店の奇跡」

読むとエネルギーがわいてくる本というものが、この世にはある。僕にとってこれはそのうちの一冊になり得ると思った。

 アサヒビールにシェアを奪われ、危機的状況に陥った高知支店を立て直すために支店長として赴任。負け癖のついたチームを立て直すため孤軍奮闘し、奇跡的な復活を遂げた感動の実話。読み進めていくうちに、ページをめくるスピードがあがり、こぶしに力が入っていく。一部、時代と逆行している施策もあるが、「大切にしたいこと」の本質はいつの時代も変わらない。

鍛えられた現場が力を発揮
 なかでも、成績のいい営業マンにトークの中身を聞いてみると、面白いことがわかりました。
 本人は意識していませんでしたが、相手に相談しているのです。
「キリンをもっと飲んでもらうにはどうしたらいいでしょうか」「キリンをこの地域に置いてもらうにはどうしたらよいでしょうか」など。

相談は最強のコミュニケーションツールだ。人は相談されると嬉しい。自分自身の真摯な姿勢も伝わるし、相手のアドバイスを率直に受け止め実行したら、それも好印象につながる。人は自分が言ったことに責任を取ろうとする生き物だから、アドバイスをしたことに対して実行した人を無下にはできない。結果、売れる。

しかし、いずれにしても根底には「想い」が必要だ。「相談」はあくまでそのための手段に過ぎないし、「想い」のない「相談」は相手に見透かされて逆効果になることさえあり得る。まずは「本気の想い」があった上で、「どうすれば良いですかね?」という相談をする。そうして初めて、相手も「本気」で「相談」に乗ってくれるのだと思う。

本気で行こう。本気で生きよう。全てはそこから始まる。

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