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全て、に含まれる薄さ

「つまらん。なんだこれ。」

途中で小説を置いた。
これが3回続いたことがある。

作家さんには申し訳ない気持ちになるので優しく本を閉じる。

私には合わなかった、それだけだ。
私の薄っぺらい価値観でつまらんなんて思ってごめん、という気持ちだ。

私は活字が大好きだ。
何より日本語の並び方や漢字の使い方、固有名詞の選び方にわくわくする。

さて、そんなことはどうでもいい。

つまらん、と思った原因を探った。
なんか気になったからだ。

一から読み直した。
全て。

そういうことか、わかったぞ。

わかったらしい。

「1から10の感情を1から10まで書いてあるからだ。」

らしい。

読者に伝えるために詳しく書いてくれたそれを、
私はいらないとおもうたちだったのだ。

1から10の感情のうち5割だけ、いや4割を書く作家さんが好きだ。

想像したい、それだけなのだ。

その物語に入り込みたい。私も一緒に考えたい。

ただの寂しがり屋。私も入れて、そういうことだ。

全てを書く美しさをまだ私は知らない。
想像させたら勝ち、だと思っている。

恋愛も然り。

「おふろいってくるね」

この言葉で想像させる裸体は妙に美しいはずだ。

知らんけど。

匂わせるのだ、何かを。
他人の頭の中で自分をたくさん登場させる。
これが大事なのだ。

知らんけど(2回目)

内容がずれてきたのでここらへんで終わりにする。

全てを語らない、そんな内容で十二分だと言ってくれ。

#エッセイ #コラム #活字 #本 #小説 #写真


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