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第7回 LOOKREC画像診断勉強会-消化管の読影(正常編)を振り返る

こんにちは! 広島を拠点に活動している医療系学生団体MNiSTの山崎です。この記事では2021/7/16 19:30​-21:00​にYouTube Liveで配信した第7回 LOOKREC画像診断勉強会を振り返りながら要点をまとめていきます✏️
今回はエムネスの島村先生とMNiSTメンバーで5年生の山崎が担当しました⭐️

LOOKRECの使用方法

今回は参加者の皆様にURLをあらかじめ送付し、MRIやCTの画像をご自身のパソコンで自由にスクロールしていただけるようにしました。株式会社MNESが開発しているLOOKRECの使用方法をあらかじめ島村医師に解説していただき、動画を作成しYouTubeにアップロードしています。

1. 正常画像

まずは食道を追いかけてみましょう!

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0001

島村先生の手元のiPadでスライドに矢印を書き込んでいただきながら、まずは図で消化管の口から肛門までを確認しました。今までは頭頚部や縦隔など、体の一部でしたが食道は頚部から骨盤まで、長いのがわかりますね。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0002

今回はLOOKRECのビューワで左右の2画面を同時に使いながら開設していただきました。今まで左半分だけの表示でしたが、左右で画像を比べることができるようになってわかりやすくなった気がします! LOOKRECの機能で、キーボードのLを押すと、画像に緑の線が入り、冠状断と矢状断などを同期しながらスクロールできます🎉

食道は他の臓器に押されて、内部に空気がないような部分もあって画像上発見するのが難しい部位もありますね。そんなときは、その部位の上部か下部の、構造が明らかに発見できるところからたどっていくと見つ蹴られることもあります。画像診断をするときに重要なテクニックですね。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0003

胃の中に凹んでいる部分が見つかりました。不勉強な僕は「これは憩室…?」と思っていましたが、これは皺襞(すうへき, 胃のシワシワのこと)でした笑

2. 異物誤嚥

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0004

次の症例は、異物誤嚥です。整形外科を受診する際にレントゲンにうつりこんだ異物があり、CTを撮影したようです。磁石を6-7年前に飲み込んでそのままってすごいですね😳 胃や消化管、目など異物が体内に入り込んだ場合にはMRIは禁忌ですね。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0005

見事に磁石が胃の中に連なっています。もしそれぞれバラバラだったら消化管穿孔を起こす可能性もあり、危険だそうです。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0006

漫画の集中線のようなアーチファクトが写っています。LOOKRECの機能で、CT値を測定してみると、以下のようになりました。

空気 = -1000
椎体 = 400
磁石 = 10000(!)

金属である磁石のCT値が飛び抜けて大きいことがわかりますね。今回は最初から磁石であることがわかっていましたが、CT値から異物の性状(素材)を推測することもできそうですね。

3. 結腸憩室

高吸収で白く映る憩室が多く認められました(画像矢印)。結腸に好発するらしいです。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0008

この患者さんは憩室以外にも、脳梗塞後遺症(左片麻痺)、狭心症、大腸ポリープ切除、逆流性食道炎、高脂血症、高血圧症、虫垂炎手術などさまざまな疾患の既往があります。CTのスカウタービューで左上肢が挙上できていないことからも片麻痺がわかりますね。さらに、下肢や骨盤部の筋肉の廃用性萎縮といった画像所見にも左半身を動かしていないことがわかります。

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0009

4. 急性虫垂炎

第7回 LOOKREC画像診断勉強会 - 消化管の読影(正常編)-0010

心窩部痛につづく右下腹部痛ということで、典型的な虫垂炎を疑う主訴の症例です。虫垂は人によっても大きさが異なる部位ですが、とても小さいのでCTの5mm厚だと見つけにくいこともあるそうです。水平断で見つからない場合も冠状断であれば見つけやすいそうです。

虫垂炎には大きく3つの分類がありますが、みなさんどれかわかりましたか?
カタル性(炎症が粘膜に留まるもの)
化膿性(蜂窩織炎性)(炎症が壁の全層に広がるもの)←本症例
壊疽性(虫垂の壁が壊死に至るもの)

さらに、妊婦さんの虫垂炎では腸管の圧排によって虫垂の位置が変わるそうです。主訴の痛みの部位も変わってくるので問診の際は注意が必要ですね。

参加者から放射線診断医への質問

Q. 消化管は他の部位と比べて難しいですか?
A. 昔は放射線画像で消化管は見えませんでした。読影は難しいですが、他の臓器と勉強の仕方は変わりません。

Q. 消化管領域で内視鏡検査などもありますが、画像検査はどのような立ち位置でしょうか?
A. 消化管の疾患だと思って撮影したら消化管以外の病気だったとわかることがあります。他の疾患が見つかることもあります。また、内視鏡などと比べて少ない侵襲で検査が行なえます。

他にも、デュアルエナジーCTについてなどハイレベルな質問もいただきました!

など多数の質問をいただきました! 今後も概要欄に記載の質問フォームや、当日のチャット欄などでどんどん質問を募集していきますので、画像診断についての質問や、放射線診断医に聞いてみたいことなど、どんどんご質問ください🙆‍♂️

次回以降のご案内

学生団体MNiSTではテーマを変えながら、Youtube Liveで毎月LOOKREC画像診断勉強会を配信しています! 各月の配信日時は、各SNSで随時お知らせしています。このnoteがきっかけで興味を持ってくださった方も、ぜひご参加ください📣

MNiSTのメンバー一同、皆さんの参加をお待ちしております👨‍⚕️👩‍⚕️

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