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モモ ミヒャエル・エンデ著 大島かおり訳


児童書のベストセラー「モモ」を読んだでぇ。
読書後の感想は「胸が苦しい」や。

児童書読んで胸が苦しくなるなんて、予想してへんかった。

ミヒャエル・エンデさんは「はてしない物語」も書いてるし、
めっちゃ有名なドイツ人作家。
1929年11月生まれで1995年8月に65歳で亡くなりはった。
1973年「モモ」を発表してはる。

仕事の効率を上げるとか、
無駄をなくすとか言われてて、それが良いことと思ってたで、
そやけど、なんでって考えたことある?

それって、労働者がめっちゃ必死で時間を節約して働いて、
生産効率上げて投資家が儲かる仕組みちゃうの?

自分の時間を人のために節約してるん?

モモに登場する灰色の紳士が大人に時間節約して
時間を貯めろっていうねん。
時間を貯蓄したら、幸せになるとか
なんかもっともらしいこと言われて
どんどん、大人は時間を貯め始めるねん。

何が幸せなん?

時間を貯めたら何が手に入るん?
誰も考えてへん、
けど何となく貯める方がええんちゃうって思ってくるねん。

効率よくって、誰のためにするものなん?
誰が幸せになるん?
たくさんの家を同じ形に作ったら、早く出来上がるって。
そうらそうや。
それがマンションで、
それが良いって思って住むねんなぁ。

何がええの?
なんか知らんけど、良いって思ってたわ。

自分の思い描く素敵な家ちゃうで、
同じ箱の中に入れられてるだけやでって・・・・
実際、同じ間取りのマンションに好んで住むのは何でや?
考えたこともなかったし・・・
なんで、考えへんのか?この本読むまで思ってもみいひんかったわ。

時間を倹約して貯蓄していくとな、
楽しむ時間が減っていくねんて、
『スル事』を出来るだけ速くする
味気ないで、
そやけど、みんな味気ないことに必死になってるねん。
何でか知らんけど ←ほんまやなぁ 

速く、効率よくすることしか考えへんから、
人生の楽しみとか、いつ考えるん?
で、時々とっても悲しくなってくるねんて・・・

内容なんてあんまり関係ないねん。
それが速やかに進んでいくことが大切やって言われてんねん。
時間を貯めるためにはな・・・・

これはお話やのに、
現代人はみんな同じことやってるんちゃう? ←知らんうちにな。怖い話や

「モモ」が書かれたのは1973年それから49年
ずっと同じことやってる。

時間の貯蓄はもうだいぶできたと思うけど。
時間の貯蓄でどう幸せになったかって
今のところ私は知らん ←聞いたことないわぁ

「モモ」には貯蓄した時間はどうなったか書いてあるねん
そやのに、大人は誰もそのことが分かってないからなぁ ←私もな

あんまりにも、何も考えられへんようになっていることを知って
胸が苦しくなった。

ほんまに、何も考えんと生きてるって、そんなんあかんわなぁ。
そやから、子供にもわかるようにミヒャエルさんが「モモ」を書いてくれたのに。愚かやな。
胸い苦しいわぁ。

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