見出し画像

#0 たくさんの絵の具と、ひとつのパレット。

絵の具とパレット

ある人が青色で、ある人が黄色の絵の具を持っていたとする。その人たちが2人でひとつのパレットに色を塗ろうという場合、彼らは何色を塗るだろうか。半分青でもう半分が黄?7割黄色で3割が青?それとも一面緑色?もしかすると一面どっちかの色しかないかもしれない。

2人で2色、一枚のパレット。これが対人関係における最小の縮図だとしたら、n人でn色、一枚のパレット、これが社会だろうか。いや絵の具を持っている数はみんな同じじゃないかもしれないし、途中で絵の具の色が変わったりもする。そしてきっとそ肝心なパレットも決して真っ白ではない。先人ペインターたちがぐちゃぐちゃにしたカラフルでカオスなパレットだろう。パレットの端の方だけ見れば調和が取れた美しい色合いのこともあり、一部は真っ黒になっているかもしれない。そんな複雑で難解なパレットを、世界の人々はどのように塗っているのだろうか。

学生団体S.A.L.は、「みたいんだ、世界を」と言う言葉を謳い文句に活動している。特に大した理由もなくなんとなく惹かれてこの団体に参加した僕だったが、いつしか、そんな世界の塗り方をみることが僕がS.A.L.にいるひとつの目的になっていた。

原発問題に対する調和不可能な絵の具。カーストが塗り固められたパレットで生きるインドの人々。そんな途方のない社会問題に対してどう色を塗っていくのか。

とても僕の人生の中で片付く問いには思えないが、そんな異なる色をひとつのパレットに塗っていく世界をもっと見てみたいと思った。

そんな思いでこの夏、学生団体S.A.L. モンゴル遊牧スタツアを始めた。

モンゴルというパレット

具体的に世界の塗り方をみるという行為には、イデオロギーの対立構造だったり、文化継承、生活格差といった色々な対象があるだろう。その中で今回は、生活環境や価値観の異なるコミュニティ間にある社会的な相互関係に着目して世界を見てみたいと考えた。そしてそのために、渡航先はモンゴル🇲🇳に定めた。

遊牧民と都市民。両者のコミュニティの交差や侵攻によって成り立っているであろうこの国では、お互いがアイデンティティやコミュニティ意識をどこに感じ、社会生活の中でどのように遊牧と都市生活がせめぎ合い、共存しているのだろうか。

遊牧民の生活や価値観を体験しながら、そんな「遊牧-定住」という世界でも類を見ない程の異なる絵の具を持った国を体感し、彼らの世界の塗り方をみてこようと思う。

こんにちは。

初めましての方は初めまして。慶應義塾大学文学部2年 学生団体S.A.L. 小池遼と申します。春のインド教育スタツアに続き、夏はモンゴルへとスタツアにいく運びとなりました。そこで再びnoteを通じてスタツアの様子を発信をしていこうと思っています!

現在、草原のゲルに2週間近く滞在したり、現地の高校生と交流したりすることが決まっています。日本では絶対ないようなモンゴルの生活や景色、体験をここに残しつつ、スタツアを通してメンバーが考えたことなどを備忘録的に残していきます!よろしくお願いします〜

モンゴル料理、実は感動レベル!!現地でも期待だ⭐︎

==

学生団体S.A.L.とは

国際問題啓発団体を自称しているが、実態として活動の幅はより多岐にわたる。フリーマガジン制作や、ドキュメンタリー制作、インタビュー活動から教育支援活動まで、多様で幅広い活動を行う10プロジェクトからなり、長期休みには、国内外のスタディーツアーを実施している。色々な視点、色々な方法で世界を肌で経験し、自分の世界を広げることができることのできる場所である(寄稿者主観)。


学生団体S.A.L.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?