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8.井の中の蛙、大海を知る。



小学生の頃、わたしはそこそこ頭が良かったし、優等生の部類だった。

中学高校大学でも
特段頭が良い訳では無いが、
勉強ができない訳でもなく、
世間一般でどちらかと言えば良いかもなぁ、
とまで思ってしまっていた。



とんだ思い違いだったようだ。



今年の4月に社会人になり、
一通りのマナー研修を終えたのち
グループ会社の店舗に2ヶ月弱の実習に行った

私自身入社した会社はいわゆるIT系だったのでBtoCで接客をすることはないのだが、
「今後システムを作る上で、それらが使われている現場を知っておいた方が良いだろう」
という会社の方針だった


私は大学時代アルバイトはずっと接客だったがそこで接客は向いていない…というか好きではなく
ストレスばかりためてしまう性質だと分かっていたため、気合いもある反面少し憂鬱でもあった


その憂鬱な気分は、実習前に行われた
私たちグループ会社の親会社から来ていた人たちと合同で行われたオリエンテーションでさらに増大した。



親会社は日本では名の知れた有数の会社で
その業界ではトップを独走しているほどの大企業だ

優秀な人が集まっているだろう、とは容易く予想できるものの
10人以上いたにもかかわらず全員が全員、
知り合いに1人いるかいないかくらいの
自分とはかけ離れた経歴の持ち主だったのだ

もれなく『頭のいい大学』と聞いて思いつく大学に通い、院卒のひとがほとんどだった。
それに加え
アメリカで論文発表をしたり(論文作成したのは行きの飛行機らしい)
親御さんの仕事の都合で海外の高校卒業したり
英語好きじゃないといいつつTOEIC700取れと上司から言われ勉強してさらっと超えちゃったり

とにかく私が一生かけてもしないであろうことを既に経験し、
努力を努力とも思わずに出来てしまうような、
私から見れば超次元の人、、方々ばかりだった。


そんな彼/彼女らと共に受けたオリエンテーションでは知識や才能の差が歴然と感じられ、

「受け入れ先の店舗の人は、私なんかが来たらハズレだと思うのではないか」
「こんな能無し(私)が役に立てるわけが無い」
「入社してそうそう会社の期待を裏切るんだ」

と、放っておけば勝手に悲観的になり
どんどんと底なしのネガティブ沼にはまってしまった。


ただ親会社からきた超人たちは
そんな才能があるならもっと威張りそうなものなのに
腰が低く、決して自分からはひけらかさず、
率先して場を盛り上げ、聞き上手で、気の使える
超絶完璧人間だったので
知識や才能もないうえにネガティブ沼に落ちてた私に
新品のハンカチやタオルを差し出すような優しさで接してくれた。


だから実習が終わる頃には
恋愛相談をするくらいの仲になっていたし
わたしもそわそわしないで輪の中にいられるようになった。



彼/彼女らとの日々を終えてみれば
生きる世界が違う人たちと友人になれたのはとてもラッキーで光栄なことで、
自分の位置を知ることのできた
またと無い経験だったと思える。

この経験があったからこそ、その後の私は
人よりたくさんの努力をするべきだと考えられるようになったし、
今までだったら投げ出してたようなことも、なんとかしがみついて越えられるようになった。

彼/彼女らとの出会いがなければ
大した才能もないくせに
「まぁ、できない方じゃないし、そこそこでやってれば大丈夫でしょ?」
という思いで仕事をこなすだけの
能無しあほんだら社会人に一直線だったはずなので
感謝感謝大感謝である。

これからも能無しあほんだら社会人になりそうな時はこの2ヶ月で走り書いた文字や言葉や思いを読み返して、
努力を努力と思いながらでもいいから
自分の位置を見誤らないで進み続ける人間でありたいと思う。


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