常識になった感染症対策


感染症対策でStayHomeが推奨され、半年以上経った。


超インドア人間なので自粛はあまり苦ではなかった。

もともとステイホームと言われなくても大体必要最低限の外出しかしていなかった気がする。

実家暮らしで母と仲が良いので話し相手もいる。

もともと友達とも頻繁に遊ぶタイプでもなかった。自粛前も月に1、2回ご飯に行く程度だった。

自粛で大きく変わったことと言えば、好きなバンドのライブが無くなり旅行を兼ねた遠征に行けなくなったことくらい。これはすごくかなしい。



数ヶ月前に比べるとだいぶ自粛ムードも緩まっているように感じる。GoToキャンペーンや飲食店の再開など、経済を回していく方向にシフトしている。

それなのに私は外に出る気が起きない。

飲食店だってほとんどの店がしっかり対策しているだろうし、密を避ければ感染リスクも低いのは分かっている。旅行も政府がキャンペーンも出してるし、行ってはいけないわけでは全くない。

でも未だに自分の中で自粛ムードが抜けない。

もちろん、感染したくないというのはある。

インフルエンザにかかった時でさえかなりしんどい思いをしているのに、未知のウイルスなんて絶対にかかりたくない。後遺症も怖そうだし。百歩譲って自分は良いとしても周りの人に迷惑はかけたくない。

でも、感染したくないという以上に楽しめる気がしないというのが未だに外に出ない理由として大きいように感じている。

マスク、消毒、ソーシャルディスタンス、3密の回避。

感染症のせいで当たり前になってしまったものがたくさんある。

それらが「感染症対策として」ではなく「常識として」私の中に根付いてしまった。

外に出てマスクをしていない人を見かけると非常識だと思ってしまう。他人との距離感、話す時間、換気の悪そうなところにいる時間、あらゆることが気になって目についたりすると嫌な気分になってしまう。

嫌な気持ちになるより不要不急の外出を避け家にいる方がいい。

でも対策をしたうえで外食をしたり旅行をする人もたくさんいる。周囲を気にしなくていいなら私も外食したいし旅行にも行きたい。でも気になってしまう。


もう、以前の日常に戻ることはできない気がする。

ワクチンや薬ができたとしても、一度常識として根付いてしまった感染症対策をしない人と接するのは気持ちが追いつかなさそう。

満員のライブハウスで汗だくになりながら声を上げたりするの、とても楽しくてとても大好きな時間だったのに、今となっては想像もしたくないくらい耐えがたい状況になってしまった。


感染症に奪われたものはあまりにも大きいのかもしれない。





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