oikawa 𓂃 𓍯 𓂃

しがないフリーライターの娯楽備忘録 ✎𓂃

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最近の記事

遊園地のアトラクションのような『アラジン』

まるで遊園地のアトラクションのような劇団四季のミュージカル『アラジン』 そして、皆が待ち侘びる大人気のジーニー。 幕開けからジーニーワールド炸裂。 数年前に観劇したときより、ジーニーの漫才・コント要素がヒートアップしていて、子供をはじめ老若男女が顔を緩め、声を出しながら笑っていた。 「せっかくなので、声を出して笑ってくださいね」 というジーニーの言葉によって、さらに笑いやすくなる雰囲気。 コロナ禍も落ち着いてきたからこそ、声に笑いを乗せられる気持ちよさ。 そこで

    • "嘘"が飛び交う本多劇場『リムジン』

      登場人物全員に"違和感" 登場人物各々の口から、色々な嘘と本音が出てくる。 つい、ついてしまう小さな嘘。から広がる嘘。 狭いコミュニティ内での、小さな人間模様。 「嘘」をテーマとした舞台は多数あるが、私は2017年に上映された三谷幸喜さん脚本・演出の『不信〜彼女が嘘をつく理由〜』を思い出す。この作品もシリアルさとコミカル要素がふんだんに盛り込まれていて、スリリングかつ"丁寧"な作品ですごく好きだった。 掴めない登場人物たち この登場人物は、こういう人!となかなか言

      • ねじまき鳥クロニクル

        舞台中にある台詞「この猫はネコであって猫ではない」 猫は、目には見えない感情の具現化なのではないかなと。 村上春樹さんの独特な世界観、文字を、演じる歌う踊るトップクリエイターたちが全身を使って表現されていた。 観劇後にまず感じたこと。 「まさに舞台ならではの舞台を観れた。」 全身を使った表現に圧巻。 演者さんの身体の柔軟性やしなやかさに驚かされた3時間。 そして、舞台美術の壮大さ。 重層的な世界をこうやって表現するのかと、一つの一つの動きや演出を目に焼き付けて

        • 『兎、波を走る』を観るために「私、池袋を歩く」

          一言で言うと 「難しかった」 この作品を自分なりにどう受け止めよう。どう感じよう。 そう思わせる作品だった。 チケットが取れず、お得意の当日券チャレンジ。 今回は朝マックに寄り、それでも9時頃に着いたが前には10人ほどいたので「マックに行っている場合ではなかった……?」と思ったが、やはり朝マックは美味しい。マフィンにかぶりついたときのクワッとした食感と、お肉のジュワっとした感じとチーズのペロンという感じとしょっぱい味。マフィンの粉が唇にまとわりつくところまでが、朝マ

        遊園地のアトラクションのような『アラジン』

          美女と野獣

          "さすが劇団四季" と言わざるを得ない作品。 ストーリー自体は事前に知っていたものの、やはり舞台として観るのはまた違った印象を受ける。 『Beauty and Beast』をはじめとする名曲の数々。 『朝の風景』や『強いぞ、ガストン』 『Be Our Guest』は観劇後も気づいたらノリノリで口ずさんでいた。 野獣がベルの気を惹くために四苦八苦する姿には、ちょっぴりコメディ要素が含まれており可愛らしく、野獣の怖い見た目と中和されていた。 城のインテリアたちがぺち

          「何だ私、笑えるじゃん」舞台『もうがまんできない』に救われた話

          これから「好きなお笑いコンビは?」と聞かれたら、『ずっとまってるズ』と答えたい。 開幕早々、私の心を掴んで今でも離さない『ずっとまってるズ』 お笑い好きのクドカンさんだからこそなのでか、ネタもめちゃくちゃしっかりしている。 阿部サダヲさんと宮崎吐夢の掛け合いも、コント要素があり最高。 体を張ったドタバタコメディで、笑い笑い笑いの連続。 そして、まさかの全裸で登場した皆川さん。 よく分からないことを口走っていて、「なんだこの演劇は?!」と衝撃を受けながらも、笑いが止

          「何だ私、笑えるじゃん」舞台『もうがまんできない』に救われた話

          愛しい台詞に包まれた妙々たる会話劇『宝飾時計』

          台詞たちが愛しい。 時計を想起させるような円盤舞台で、過去と現在を入り混ぜながら物語は進む。 この作品は、とにかくテンポの良いリズミカルな会話劇。 回転式のシンプルな舞台が、飛び交う台詞たちのテンポの良さをさらに際立たせる。こんなにもシンプルなのに、全く飽きが来ないのも、製作陣と役者さんの力なのだなと、感心させられる。 黒子さんではなく、役者さん自身が小道具を持ってきたりセットを移動させたりする斬新な演出にも驚かされた。 主人公のゆりかも、マネージャーの大小路も、同

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