見出し画像

ナミビアの算数の課題〜低学年編〜


今回はナミビアの低学年(1年生)の課題について。
日本で1年生の担任を3回持ったことがありますが、ここまで算数の学習で困ったことはありませんでした。ナミビアに来て、1年生のクラスを担当して、衝撃的なことがたくさんありました。どんなことにつまづいているのか、だからどのような活動を自分はしたのか整理したいと思います。

前回の高学年編はこちら



① カウンティング授業

私がオブザーブした3日間は、毎日カウンティングから授業がスタートすることがルーティン化していました。確かに毎日呪文のように1から50までとか100までとか唱えているので、ほとんどの子が数えることができています。しかし全体で数えさせることしかしていなかったので、個別に聞くと数えられていない子もいました。

⇨カウンティング廃止。時々は取り入れますよ。でも自分が授業をするときは、わざわざそのためだけの時間を取らないようにしました。


② 数と数字が一致していない。

数えるだけなので、one=1だと理解できていない子もちらほら。数えるだけではダメなのです。

Three(数詞)と3(数字)と●●●(数図や絵)

この3つの相互理解があって、数の認識ができていると言えます。

⇨とにかく数図カードや数字カードを使って、色々なアクティビティをしました。
①〜⑥にそれぞれアクティビティが。また別の機会で紹介します。


③ 数をまとまりと認識していない。

2+1のような小さな数字でも、「●●+●」と数図で表されていても、

絵や数図を1、2、3と1から数えて答えを求めてしまう。


繰り上がりのない足し算や引き算は、覚えるしかない(数図がイメージできたらベスト)と個人的に思います。初めは、数図を活用しながら、だんだん数字だけの式を見て答えが言えるように、練習を続けました。

https://www.instagram.com/p/Celk6z8Lc6FSg_ZDevtQEP3NsZnHzB5trgrAPs0/


④ 鏡文字連発

1年生が始まって3ヶ月経っても、鏡文字の連発は日本では見なかったので驚きました。(ひらがなであっても数字はあまりいなかった)

ただ単にこれまでの書くことに触れる機会の少なさだと思うので、慣れれば大丈夫だと信じています。筆箱も学校に置いて帰っているし、書く系の宿題もないので、家でも文房具に触れる機会がない子が多いのだと思います。


To right and downと何回言ったことか。
横で声掛けするだけでかなり上達。


終わりに

1年生から日本とナミビアでこんなにも差があるのかと驚きました。
日本の幼児教育の凄さなのか、家庭教育の素晴らしさなのか。
日本の子どもたちは小さい頃から数字に触れる機会があり、遊びや生活の中で自然と数の概念が身についているのだなと、ナミビアに来てから思いました。
他のアフリカ諸国もきっと同じ現状な気がします。

高学年の現状を見て、高学年にアプローチするよりも、低学年にスポットを当ててアプローチをするべきだと実感しました。だから、元々の要請では、高学年スタートでしたが、低学年に入るように言ってくれた配属先には感謝しています。

でもこの現状を変えるのには2年では短すぎる。焦らず自分にできることを頑張りたいなと思います。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?