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光ってみたり終わってみたり生活は降るようにあるめざましが鳴る(初谷むい)

時間は一瞬一瞬の積みかさねで、それは頭では分かっているのだけれど、気を抜くと忘れてしまう時がある。
例えば、家についてYouTubeを適当に流して、なんにも考えないで歯磨きをするとき。布団にぽすっと潜り、のそのそと窓の方へ転がって少しでも夜風にあたろうとしながら、気がついたら眠ってしまっているとき(たいてい布団は蹴飛ばしている)。

光ってみたり終わってみたり生活は降るようにあるめざましが鳴る(初谷むい)

そんな終わり方の1日も、帰り道で吹いた風がはっとするほど気持ちがよかったり、小さいこと(かもしれないが)で落ち込んだり、かと思ったらもらったお菓子の甘さがじんわりと心にしみ入ったり、少し呼吸を整えて思い返してみると、なんだかんだで生活がひらひらとくるくるとしている。生活は営むでもするでもなく、降るようにある、今日も昨日も、そして明日も。

明日は月曜日、2日ぶりに目覚ましが鳴る。明日の降水確率は40%のようだけど、なんだかんだで晴れたらいい。

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花は泡、そこにいたって会いたいよ/初谷むい
(書肆侃侃房)
P.62
より

https://www.amazon.co.jp/花は泡、そこにいたって会いたいよ-新鋭短歌シリーズ-初谷-むい-ebook/dp/B07DGGLLNZ

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眠れない夜に

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