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ひきわり納豆だけは好かなかった

夜空に花火が打ち上がる

毎年いとこと祖父母、家族みんなで花火をするのが楽しみだった

家の前で花火を打ち上げようがそこら中に煙が上がってようが問題ない

それに文句をつける人など周りにはいなかった

年に一度だけ帰る青森のおばあちゃんち

朝は信じられないほど空気が澄んでいる

純度100パーセントのような自然の酸素

朝早く起きて家の近くの道を自転車で風を切って走る

走りを妨げるものは何もなかった

もう何年も前のことだが、その空気を、風を切る感覚を、いまでも思い出せる


スイカ割りをした

私の大好物の父の餃子をみんなで包んだ

直火で焼くバウムクーヘンをつくった

いとこと喧嘩もした

納豆はひきわりだった


もう何年も帰っていない

無邪気だったあの頃に帰りたい


#ふるさとの風景
#エッセイ
#花火
#大学生
#思い出

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