これまで何を大切にしてきたかを考えて、それを守れる居場所を探す
幼稚園の頃、おばあちゃんの家に行った日のことをよく覚えている。「大人になったら何になりたいの?」とおばあちゃんが私に尋ねたあの日のこと。私は「ピアノの先生になりたい!」と答えた。その頃、ピアノの先生に会うのも、ピアノを弾くことも大好きだったから、憧れがあったのだろう。
おばあちゃんは、いつもお小遣いをくれる時、一緒に手紙を書いて渡してくれた。「ももちゃんが大きくなってピアノの先生になるのを楽しみにしているね」その時の手紙には、そう書かれていた。
「大人になったら何になりたいの?」というあの日の質問は、その後も、小学生の時に書いた将来の夢作文、中学生の時に作った夢ノート、高校や大学選びなど、あらゆる機会で形を変えていつも私に問いかけてきた。だんだんと「ピアノの先生になりたい」という気持ちが薄れていくことに戸惑いを感じながらも、その都度自分が何になりたいか、真剣に考えてきたと思う。
大学3年生を迎えたこの春。またあの質問が頭の中をめぐっている。そう、就職活動がもう目前に迫っているからである。
しかし私はもう大人である。「大人になったら」という質問の前半部分はもう必要ない。そもそも「大人になったら」とは何だったのだろう。20歳になって、子どもと大人は、区別のあるものではなく地続きで、誰もが道の途中であるということに気がついた。きっと就職活動においても、「学生である私」と「社会人になる私」を区別して考えてはいけないのであろう。
つい先日のこと。友人と就職活動について話をしていた。私が「何になりたいかよくわかんないな」と言うと、友人は「何になりたいかじゃなくて、自分がこれまでに何を大切にしてきたか、それを考えて、大切にしてきた価値観を守れる居場所を探すのが就活だと思う」と言った。その言葉は、私の胸にストンと落ちた。
過去も今も未来も地続き。これまで大切にしてきたことって何だろう。これからは、質問を変えてみよう。
今度、新卒採用活動の一環で、1時間の尺で就活生へお話しすることとなり(長すぎるでしょ)、資料を作成中。
自己分析とか業界研究とかグルディス対策とか、そういう「就活のお作法」を話すのは、役割的にも能力的にも適任でない。だってそんなのは、キャリアセンターや人事部の採用担当にいる人が話せば良いし。
わたしができることは
「就活中にどんなことを考えてどう感じたか、結果なぜ今の仕事に就いて、今、どんな仕事をしていて、どう捉えているかを伝える」
これだけだと思いました。つまり、エッセイです。
ということで、過去の日記などをふりかえっています。
ふりかえると、大学3年生の春、就活を始めた頃、とにかくわたしは「働くってなんだろう」ということをずっと考えていたようでした。笑
社会に出るってなんだろう、もう出てるのに
社会に出て働くって、なんだろう
趣味と仕事の違いはなんだろう
職業ってなんだろう
この会社は社会のどこに影響を与えているのだろう
自分はここにどんなふうに影響を与えられるだろう
みたいな。
そういうことについて、本を読んでみたり、インターンに行って考えてみたり、そんな大学3年生の就活初期だったのでした。
色々と文章が出てきたので、文章をふりかえりつつ、資料づくり頑張ります。
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