『小さいことばを歌う場所』ブックレビュー
『もともと、ことばは
「ロジックを語ることもできる」というだけで、
ロジックを述べるために生まれてきたわけじゃないんでね』
(本文より)
最初から最後まで、すごく好きな本なのだけど、カテゴリ分けができない一冊だなあ、とも思う。
エッセイ、詩、ひとりごと、を行ったりきたりしている。
私は広告の仕事のことは全然知らないし
身近にクリエイターの方がいるわけでもないので、
糸井重里さんといえば
・もののけ姫のキャッチコピーを考えた人
・ほぼ日の人
という認識ぐらいしかなく、そのことがどれほどの業績なのかというのもいまいちピンとこないわけです。
が。
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『鳥はさぁ…と思ったんですよ。
食いすぎてふとるということが、ないんだなと。
だって、飛ぶでしょう。へたに体重が増えたら、空に住めなくなるんだもんね。そんなことを知っているのか知らないのか、
鳥はさぁ、食いすぎてふとることがないみたいです。
しかし、人間は、なかなかそういうことができない。
鳥より知的だと思いこんでいるんですけどね。』
『犬とお相撲さんとアイススケートの選手は、
寒がらないと思いこんでいませんか?
そんなことは、ないらいしいです。
ガマンしているだけらしいですよ。』
(本文より)
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こう、(この人すごいなあ)って思うようななにかがにじみ出ていて、
この人すごいなあ…ってなります。
そして(この人の言うこと、すごく好きだな〜)ってじんわり優しくなれる瞬間があるのと同時に、
言葉や文章をつかってなにか表現していきたい身としては
(センスの化け物すぎて逆にやる気なくすわ)
ってなる瞬間があるんですよね…
いろんな表現の仕方、いろんな作品としての“言葉”を見るのが好きなので、
『小さいことばを歌う場所』なんてタイトルつけられたら
もうほんとに敵わない……
すごく好きな本です。
でも、すごく嫉妬もしている本です。
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