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世界最先端のスタンフォードの教育大学院と授業の紹介&秋学期振り返り アメリカ大学院日記#2

スタンフォードでの2学期目が1月から始まった。

スタンフォードは珍しく4学期制を取っており、秋、冬、春、夏学期があり、1月からは冬学期が始まった。卒業はプログラムによって異なるが、自分は2023年の7月である。

このnoteでは以下を紹介したいと思う
1.自分が今いる教育大学院のLearning Design and Technology(LDT)について
2.2022年のスタンフォードの秋学期の振り返り

1.スタンフォード教育大学院Learning Design and Technology(LDT)について


スタンフォードといえば、Google、Yahoo!、Instagram、NIke、LinkedInといった起業家を輩出し、シリコンバレーの中心地にある大学である。

そんな大学の教育大学院のLearning Design and Technology(LDT)は、他の大学のプログラムとも異なるし、スタンフォードの教育大学院の中でもでも一味異なる。

1年間で修士号が取得可能であり、しかも教育大学院の中でもMaster of Science(MS)理学修士号が取得できる。

プログラムの最後には修論がなく、その代わりCapstone Projectと言われる1年間を通したプロジェクトの発表が最後の成果物であり、1年間を通してのProject Based Learning(PBL)である。

詳しくは以下Forbes JAPAN の記事を参照して頂けたらと思う。

これがなぜ可能かというと、スタンフォードの教育大学院は1プログラム25人程度という合格率6%であり、自分自身には、アドバイザー2人がつくという贅沢な環境である。

教授たちは「どう学ぶか」のエキスパートであり、授業も学びが最大化されるように設計されており、一方的に授業を聞くようなことなどほとんどない。

それよりも、「学び」は自分で、調べ、インタビューし、議論し、プロトタイプし、改善し、仲間と一緒に作る、というプロセスで成り立っている。

またLDTメンバーは25人でも15か国から、人種も、年齢も最長は50歳まで、ジェンダーも本当に多様だ。

バックグランドは、Learning Design and Technologyという名前のように、Learning専門(teacher出身の人)や、Designer専門(Graphic DesignerやUX designer, Product Designer)、Technology専門(ITビジネス業界出身、ITビジネスCEO)と多様である。

スタンフォードのアントレプレナーシップというカルチャーを代表するように、半分以上は会社や団体起業経験があるメンバーである。

将来はもっと大きなことをしたいというメンバーが多く、ただ学びたいという人よりも、自分で何か作って、世の中を変えたいという人が多い印象だ。

また、25人という人数の少なさに加えて、寮生活residential educationであるため、すぐに仲良くなれるというメリットもある。

授業について

そんなLDTでは、必修がセミナーだけで、かなり柔軟に授業を選ぶことが可能だ。ビジネススクールやロースクールなどの授業も取れ、自分は秋学期はビジネススクールの授業もとっていた。

秋学期にとっていた授業は以下である。
【Learning Design and Technology Seminar}
LDTのセミナーで、この授業を中心に1年間かけて、Ed Tech プロダクトをチームで開発していく。デザイン思考のプロセスとLearning Scienceの知見でプロダクトを開発する。
【Technology For Learners】
既存のEd Techのプロダクトを選び、製品の特徴を捉えたうえで、その裏にあるエビデンスやリサーチを推測し、改善点を記載したレポートを作成する
【Introduction to Qualitative Methods】
質的研究の基礎講座。実際にフィールドワーク 、インタビュー、ミニ論文も書く。教授は有名なDenis Pope。
【Digital Learning Design Workshop】
授業を通して、エドテックのプロダクトを開発して最後にアイデアをピッチする。優勝チームは$1500の賞金が出る。
【Entrepreneurial Approches for Education Reform】
ビジネススクールとの共同授業で、教育分野の社会課題を解決する方法や既存の教育系企業や団体のケーススタディを議論する。先生はシリアルソーシャルアントレプレナー。

2.2022年のスタンフォードの秋学期の振り返り

この1年間のスタンフォードでの自分のテーマは「スタンフォードという環境の最大活用」である。

スタンフォードで仲間を作り、スタンフォードでしか学べないことを学び、その後の10年先に繋げていく。

仲間作りの一環として、Japan NightやRamen Nightといったイベントを開催し、自ら機会を産み出した。

ラーメンナイト メンバーと
ラーメンナイト 

また、せっかくテクノロジーの最先端であるスタンフォード に来たのだから、新しいことを学びたいと思い研究テーマを「VR✖️ Education」に設定した。

VRが良いのか悪いかは正直自分はまだわからないが、そもそも知らないと判断できないし、VRを一度使った時に、教育利用の可能性を大いに感じた。

セミナーの一環で実際のエキスパートにインタビューをするので、スタンフォードの教授、アメリカの最先端のVRの高校、VR企業のCEO、Meta のVR学習のDirectorなど20人以上の人から話を聞くことができた。

また、実際にVR Headsetを使用し、色んなプラットフォームのイベントにも参加した。

VRについての授業@Stanford

そして、何よりも大きいのは自分の一緒のチームの仲間がVRのStartup CEOであることである。彼を通して、VRのイロハや、VRのメリット・デメリット、VRのキープレーヤーなどを学ぶことができた。

今期はスタンフォードのVRの授業でTAをしたり、実際にVRの中で授業も行う。

自分がしっかりできるのかは正直不安だが、Failure is actually the beginning.という精神で行いたいと思う。

20230121 Masaki nakamrua


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