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本を書く使命のひと

「気づきの先へ」吉本ばなな、読了。
数日前の記事で週末に読むのが楽しみと話したこの本、1日で読み終わる。

吉本ばななのエッセイを読んだのはこれが初めてじゃないかなと思う。うっかり大宮エリー的な笑えるやつとか、なんならもっとゴリゴリスピリチュアルみたいなのを想像していたのだけど、なんというかすごい迫力の文章だった。日常のエッセイなのに、なんでこんなに迫力が出ちゃうのか全然わからないんだけど、言葉がこちらに迫ってきて心なんだか頭なんだかわからないけどとにかく感情がえぐられた。

ばななさんは私よりもひとまわりとはいかないまでの年上で、かつエッセイは少し前に書かれた文章なので、子供の成長、独立、親の介護、別れ、これからの生き方、などまもなく私が直面している可能性が高い状況のお話が、ありありと彼女の言葉(なんならもう武器よねあれは)で綴られている。開始28ページにして早くも号泣(すすり泣き、じゃなくて号泣ね号泣)、その後もいちいち泣いたり唸ったり共感したりしてるうちにめくるページがなくなった。
泣けました、共感しました、みたいな感想じゃなくてまずこれです、
「作家ってすげー」
純粋に読書というよりは、noteを書くにあたりプロのエッセイとはどんなものかしらみたいな目線で読み始めたというのもあるんだけど、何しろすげー。
noteやTwitter(まだ頑なに旧称)のちょっと文章上手い人レベルで感心してる場合じゃなかった。
ていうか吉本ばななが圧倒的なんだろうか?作家さんもいろんなスタイルがあるとは思うけど、吉本ばななはもうワンクッション入れるとかオブラートに包むとか含みを持たせるとかそういうのが一切なく文章がとにかくダイレクトでガチンコ勝負って感じ。嘘がない、それがわかる。
これが文章を書く使命を持っている人なんだな。ものを書く才能がある人はそれなりにいるだろうけど使命となるとそんなにいないだろう。

本の中で「フィジカルに生きる」という単語も出てくるんだけど、これは私もここ1年ほど気になっていることで、思考より身体の感覚に従うには?みたいなことを結構考えていたところ追い風に吹かれた感じで、得した気分を味わったりなども。フィジカルに生きる、について気にしていると自然に「やっぱフィジカルだよね」みたいなエピソードが集まってくる。いいぞ、もっと集まれ〜

ものすごく迫力がある文章なんだけど、こちらの力を抜いてくれるようなところもあって、この本を読んでいたらお酒が飲みたくなったりもした。
私にお酒を飲みたい気持ちにさせるってのは大体「これは良いものだぞ」っていう意味を持つとても大事な判断材料なのだ。
なんだただの酒好きか、って思ってくれていいです。






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