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花、鳥、風、月、そして、君。

 「秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず」
 これは、世阿弥『風姿花伝』の一節である。どんな道もすべて明らかにされることがよいとは限らない。隠れている部分にこそ趣があって、チャーミングで味わい深いし、魅惑的なのである。
 言葉(コトバ)には、それぞれ意味がある。もちろん、君の名前にも。それは漢字のみならず、よみがな一文字一文字に。それだけ想いやら願いが込められているのが、名前。そして、これは人名に限ることではなく、物(モノ)の名前でも同じ。たとえば、ブランド名「niko and ...」は“nobody i know own style”の頭文字であり、「私以上に私のことを知っている人はいない」という意味を持つ。
 昔でいうなら、短歌では、ありとあらゆる想いを言葉に込めて、心情を詠みあげている。なんとも雅やかであるし、こよない。今や、たくさんのコトバで溢れているが、たった一言で傷つけることもあれば、救われることもある。心が折れることもあれば、勇気づけられることもある。だから、私を私として存在させてきた温かきコトバたちを一つも忘れたくないし、拭い去ることは決してできない。
 花言葉の存在を知っているが、なかなか一つ一つの意味を知り得ない。たとえば、恋占いで使われるあれだ。ドラマ『君が心をくれたから』で知ったが、マーガレットの花びらは21枚(奇数)が大半らしく、結果は見えてしまう。ややロマンチックに欠けるが、乙女心の期待を裏切らない占いともいえる。因みに、マーガレットの花は、花が咲き終わっても自然に落ちない。だから、縁起担ぎにいいお花とされる。さて、あなたにマーガレット1本をどうぞ…。志高き方々を陰ながら心から応援している。
 このドラマで、お菓子言葉があることを知る。実に興味深い。このおたよりも手紙もプレゼントも、受け取る人がどう感じるかを、どうしても気にしないではいられない。だからこそ、届けたいモノだけでなく、コトバなどにも一つひとつ想いを込めるように心がけている。なかなか思うようにはいかないものだが。まあ、それでもチャーミングだと思うし、楽しむしかないのだろう。
 ところで、このドラマでのテーマになっているのだが、君は大切な人のために五感を失うことができるだろうか。人はいずれ死を迎え、必然的に五感は喪失する。果たして、五感を失ったら生きていると呼べるのだろうか。怖いし、想像もしたくない。今、当たり前のように五感を持っている。それならば、どんなことを味わったとしても、それはどれも愛おしい感覚なのではないか。いろいろな経験を通すことで、五感が研ぎ澄まされ、今の世界を味わえるような気がする。
 6本の白いマーガレットを、君に手渡す夢を見る(꿈을 꾸다)…。ああ、ほのかに漂う花のような君の香りが、君との想い出という名の記憶をより鮮明なものとして残してくれる。。。

설레는 맘 가득해 이 순간   말해줘 다 말해줘 너의 마음 다
トキメキでいっぱいなの この瞬間   全部教えて あなたの気持ち
     (宇宙少女우주소녀 (WJSN) 『이루리(As You Wish)』)

🎵 人生いろいろ。人の色もいろいろ。対話を楽しもう~ 🎵
 
【Color 106】人生で一番幸せだなって思った瞬間はありますか。
【A】たった「今」でしょうか。いやあ、なかなか答えに窮する質問です。でも、素敵な問いだと思います。楽しいことが続けば、もちろん幸せだなとは思います。でも、何をもって一番とするか…。因みに、ポジティブになるには一旦ネガティブになる必要があります。裏があるから、表もあります。それと同じで、幸せだなと感じるには、不幸せだなと感じるときもきっとあるはずなんです。そもそも不幸せな経験なんてしたいとは思いませんけどね。そういう意味で、本来隠したい自分の弱い部分を見せ合えることができるくらいに、心から信じてくれる(心を開いてくれる)人に出会えた瞬間は至極幸せに感じる気がしますね。だって、しんどくて、辛かったことを語るのは、相当勇気や覚悟が必要ですし、なかなかできることではありませんから、話してくれようとした気持ちがこの上なく嬉しいです。
 
【Color 107】こうすればうまくいくと頭では分かっているけど、できないことはありますか。そんなとき、先生はどうしますか。
【A】もちろん、あります。バドミントンの練習をしていても、同じことをやっているつもりなのですが、繰り返しやっても何となく同じようにできている感じがしません。始めた当初、我が師匠にもっと高くジャンプするようにと言われたのですが、吐きそうなくらい精一杯ジャンプしているのに、どこがいけないのか分かりませんでした。だけど、師匠からすればまだまだ足りないと感じていたのでしょう。理屈で分かってはいても、すぐにできることとできないことがあります。今はうまくいかずに藻掻いているときかもしれませんが、それ自体、その時間すらも楽しんでみたら如何でしょうか。あなたの脳がうまくいかないと思っていても、あなたと時間をともにしている身体はきっと喜んでいることでしょう。私は、あなたなら必ずやできると信じていますよ。
 
【Color 108】おすすめの小説はありますか。
【A】小説を読むことはあまりありません。だから、今まで読んできた本の中で、個人的に良かったものを紹介しますね。古川誠『ハイツひなげし』、川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』、喜多川泰『運転者』、砥上裕將『線は、僕を描く』、村山由佳『雪のなまえ』、小鳥居ほたる『記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕。』、魚住直子『非・バランス』、瀬尾まいこ『幸福な食卓』、重松清『青い鳥』、奥平亜美衣『アインソフの物語』、青木省三『ぼくらの心に灯ともるとき』といったところです。今は、寝る前に、知念実希人『スフィアの死天使~天久鷹央の事件カルテ』を読んでいます。1ページも読み切らずに寝ちゃいますが(笑)。天久鷹央が好きですね。共感できるところがあって、つい続きが気になってしまいます。あなたのおすすめする小説があったら、ぜひ教えてくださいね。心待ちにしています。
 
【Color 109】先生は自分を動物にたとえるなら、どんな動物だと思いますか。
【A】逆に質問ですが、あなたからすると、私はどんな動物に見えますか。私はスヌーピー好きというのもあるので、犬にしておきましょうか。因みに、昔スヌーピーに似ていると言われたこともあります。どんなところを見ているのでしょう。面白いですね。個人的には、犬は忠実な感じがしますが、スヌーピーって意外と自由奔放な気がします。笑いのツボやら、あらゆる感性も何だか独特。あの表情に癒されます。大人になって漫画『A Peanuts book featuring Snoopy』を全巻読みました。勿論、英語で(笑)。

2024.2.2

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