あなたと音楽の話を
「今日ずっと、選曲がすごくよかった」
"言われて嬉しい言葉" といわれて
パッと思いつくものって、
たとえば可愛いとか優しいとか。
そういう類の褒め言葉。
これは褒め言葉とは違うんだけど、
そのどれよりも嬉しいでいっぱいになった。
一緒に聴いた曲には、
彼に教えてもらった曲も、
わたしが毎日聴くお気に入りも、
いろいろが詰まっていた。
どれの、どの、
どこからどこまでをそう言ってくれたか
わかんなかったけど、
すごくすごく嬉しくて、
咄嗟に「嬉しい!」って言ったけど、
もっとたくさんの言葉を使って伝えてたら、
ってちょっと後悔した。
今ならわかる気がする。
好きな音楽が同じってだけ。
でも、
好きな音楽が同じって、
価値観とか感性とかルーツとか心に抱えてきたものとか、そういう部分が同じってことで。
それって言葉で説明できないもので。
言葉になる前の、一番その人っぽいところで。
いや、うん、
そんな大それたことじゃないってことは
分かってるんだけどさ。
そう思いながら、勝手にドキドキして
いつも一人で聴いている曲があって。
その曲も、一緒に聴いた曲の中に入っていて。
イントロからその曲が始まったことはすぐにわかってハッとしたけど、わたしは平気なふりをしてちょっと口ずさんだ。
伝わってほしいし、伝わらないでほしかった。
あーーーー。
この曲のこういうところが好きで、とか。
実はあの曲を聴くときはいつも
あなたを思い浮かべてたんだよ、とか。
いつかそんな話をあなたとできたら。