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主人公になりたかった




「凪のお暇」「僕の姉ちゃん」「大豆田とわ子と三人の元夫」作品を通して伝えたかったことはそれぞれ違うはずだけど、何かが似てる。わたしの中に決定的に足りない何かを持っている人。このたったひとかけらを手に入れたら、わたしはきっと強くなれる。そういうところに憧れている。




小学生の頃、クラスの中心みたいな、全員一度は好きになったことがある憧れの女の子と、いちばんに仲が良かった。ちょっといいなと思ってた人、同じクラスの子、みんな多分好きだとか可愛いとか思っていたと思う。それを妬むとかもなくて、だよねわかる、って。まだ幼かったし、いろんな複雑な感情に苛まれることもなく、当たり前みたいに受け入れていた。




わたしは好きなものを好きと、好きな人を好きと、声を大にして言える。そういうところがわたしの好きなところ。これは別に誰かに堂々と言える、誰にだって発信していく、そういうのではないんだけど。心の中に持っている。わたしはわたしの中で誰にも邪魔されず、好きでいる。それを「声を大にして」だなんてちょっと違うかもしれないけどね。








あの人のいない毎日を想像して、わたしの人生ってつまんないなって思う。会いたいなって思ってたまに連絡して久しぶりに会える、そういうのがあるのとないのと。「それぐらい特別な人なんだね」って捉えることだってできるんだけど、わたしの人生はわたしの力じゃどうにもできないみたいで。



アイドル、という適性からそうなるのかもしれないけど、主人公っぽい人に惹かれる。どこに立っていても自分の立ってるその場所を真ん中みたいにして輝けるような人。いつだってがむしゃらで笑顔が眩しくて、ちょっとつまずいたってそれも自分の物語の一部にしてしまう人。



あいまいな気持ちもできるだけ言葉にしてここに残しておく。かっこ悪いのも、情けないのも、認めたくないのも。好きになれない自分にたくさん出会ってしまうけど、そういうわたしのこと、「素直に自分の気持ちと向き合っているところが自分の人生を生きてるぽくて主人公みたい」と言ってくれた人がいた。涙が出た。









多分ずっと主人公になりたかった。

誰かがいないとつまんない人生なんてやだよ。


毎日が心踊る日々じゃなくていい。どんな漫画の中だって、上手くいくことばかりじゃないからね。

すぐに運命とか言っちゃって一喜一憂してしまうけど、それも悪くない。だってなんだかすごく、わたしっぽいでしょ。




わたしはわたしを生きてみよう。

遅くないから、笑わないから。


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