綺麗だから

おーちゃん、死んだらしいよ


天気が凄く良い

お日様が出てポカポカした平日

夕方から出勤の私にはこの平日のお昼がなんとも心地良い


ランチを食べようと幼なじみから誘いがあった

いつものようにおしゃれとはいえないラフな格好で出かける


久しぶりに会った

お互い忙しくて学生の頃のような、頻繁に会って遊ぶようなことはなくなったが彼女とは今も仲良くやってる


どこでたべようか

2人ともあまり計画性がない

行き当たりばったりは十八番である


通りすがりのお店のディスプレイが美味しそうに見えた

ここにしようか

入った先はオムライス屋さん

いろんな種類のオムライスがあるが、やはり1番はスタンダードなオムライスだ


久しぶりに会うと会話に花が咲く

この間誰々に会ったよ!

どれくらい貯金できる?

将来はこうなりたいよね!

気晴らしに旅行でも行く!?


楽しく会話をしながら食べ終わる

とてもおいしかった


お店をあとにして私はこれから出勤のために一度家に帰ろうとする

彼女とは途中の道でお別れだ


そういえばさ、おーちゃん死んだらしいよ

ほらあのいつも1人で授業中に静かに空を見てた子

友だちづてで伝わってきたんだけど

半年前に亡くなったて

飛び降りだったらしいよ


私は彼を知っている

いつも教室の窓から空を眺めていた

休み時間に一度だけ声をかけたことがある

なんでそんなに空を見てるの?

綺麗だから

たった一言だけ、彼は言った


家に帰って、仕事に行く準備をしたときふと窓から空が見えた

気がついたら私は泣いていた



End

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